雨亭

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4/9/2025, 8:05:38 PM

たまに、たまにね。誰か私のことをわかってくれて、包み込んでくれる人を早く探して、2人でどこか遠くの世界の端っこで暮らしたいって思うの。

彼がいたら何もいらないって思えるくらい、そのくらい大切な人と一緒にどこかに消えたい。

2人が消えたことが誰にも知られないくらい、そのくらい遠くて、地球の端っこにある所。

4/1/2025, 5:01:36 PM

長い夢を見た。

途方もなく続く夢だった。

ああ、目覚めることはないのだ、と悟った。

体と心が分離して、魂が宙に浮いた様な、そんな感覚があったのを覚えている。

まるで、魂がこの体に閉じ込められている気がして、「ここから出して」と言わんばかりに、意識と共に遠のいてゆく。

長い長い夢だった。

しかし、夢の中を彷徨う時、何かの拍子に魂が押し戻された。

ここにいてはいけないのだと、誰かが言った。

宇宙を駆ける星の速さで、魂は来た道を流れた。

宇宙の黒を抜け、空が見えて、土地が見えて、だんだんと加速して、最高スピードで流れる中で自分の寝顔が見えた。

そして突然に目が覚めて、天井が見えた。

体は鉛の様に重く、頭はトリックアートの様に渦巻いていた。

目覚ましは30分後に鳴る予定だった。

暖房の風に吹かれて、バイクが走る音が聞こえた。

朝まであと少し、もう少し彷徨いたかったのに、また此処に戻ってきてしまった。


2/19/2025, 6:14:48 PM

鏡の中の自分を、認められない時があった。

いつもどこかの誰かになりたくて。

なりたい自分を演じて映して、それを本当の自分だって思いたかった。

もしも自分がもう1人いたなら、あの時はあの子のことをすごく雑に扱っていた。

他人には人一倍気を使うのに、その優しさをあの子には向けてあげられなかった。

あの子のことは、どれだけ傷つけても大丈夫だって思ってた。

近過ぎて見えなかったけど、あの子も1人の人だった。

たくさん傷つけたから、すごくボロボロだったのに、分かってたのに、「私もう立ち上がれない」って、全てが手につかなくなるまで気づけなかった。

ああ、そうだった。

あの子は、私だった。


-あなたは誰-

2/18/2025, 5:19:11 PM

私たちは、突然絶交した。

最後の最後に、私の本当の気持ちを書いた手紙は送らなかった。

初めて本音を書いた、少し棘のある文章だった。

優しさのベクトルが違うから、私は彼女の優しさに鈍くて、しかしまた彼女も私の優しさに鈍感だった。

いつ気づくかなって期待した私がバカだった。

でも今まで、彼女の優しさに気づけなくて申し訳なかった。

でもそれ以上に、私は傷つき疲れて、もう手放したかった。

私は彼女の大切にしているものを好きになれなかった。
そして彼女も私の大切なものを大切にできなかった。

終わらせるしかなかった。

終わらないと、始まれなかった。

2年間の長い夏だった。

彼女との時間は、夏を味わうには十分過ぎる蜜だった。

こうして私が秋を呼んで、彼女が私の夏と同じくらい絶望すればいいと思った。

どうしようもなく好きだった。

-手紙の行方-

2/17/2025, 6:01:11 PM

大人はいいものだ。

大人は素敵なものだ。

学生の頃、よく周りの大人は"学生の私"を羨ましがった。

「学生時代はいいよな、人生の夏休みじゃないか!」と。

学生も学生なりに辛いことはあるが、大人ってそんなに楽しくないの?と不安だった。

なんだよ。なんだよ!!

大人、すごく楽しいじゃないか!

大人には大人の自由があって、不自由がある。

家賃も税金もカードの支払いも、そりゃちょっと大変だけど、
それでも、学生を羨ましがるほどつまらなくないじゃないか!

なんだよ、大人。素敵じゃないか。

もがいて悩んで、孤独の中で戦って、寝る前には過去の恥ずかしいことに苦しむけど、それでも後はただただ自分次第。

もうどこに行こうが私の勝手。線路の無い道は素晴らしい。

大人の私には、大人の私の目にしか映らない輝きがあるぞ。

猫の目に街、我の目に未知。

-輝き-

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