鹿目 笹夜(かのめ さよ)

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2/14/2025, 12:13:44 PM

いつもそばにいてくれてありがとう。
そう甘い声で君は言うけれど、私にとっては嘯いた言葉しか聞こえない。
どうせ、私のことを置いていくのでしょう?
そう半信半疑な心の声が渦巻く。あの人のように…。
すると急に暖かい温もりを感じた。
一瞬驚いたけれど、君の顔はどこか悲しそうな顔をしていた。
なんであなたもそんな悲しそうな顔をするの?
いつの間にか涙を溢している私の問いは虚しく消えていった。
でも…ありがとう…。
私はそう、呟いてそっと抱きしめ返してみた、君が微笑んでいる声が聞こえた。私も釣られて微笑みの声を上げた。

2/11/2025, 11:08:23 AM

ココロがないのだろうか、周りが楽しそうで幸せそうでも僕には何にも感じない。
でも、いつもココロに咲く自分の花達は楽しげに幸せそうに鮮やかに彩る。
その場でココロの花を出したいけれど、変に思われて離れていく同級生の冷たい目線が蘇る。
あぁ、またココロの花がしおれちゃった…。

1/24/2025, 12:02:15 PM

泣いている君に心配そうに尋ねる僕。だけどいつも答えてくるのは大丈夫という突き放すように放つ言葉。
でも君は辛そうだ。今にも消えそうだ。とめどなく溢れる君の涙。
小さい嘘を詰め込んで苦しそうな君を見ると、僕はもどかしい。
僕はそっと君の肩を抱いた。驚いていたけれど、しばらくすると、君は僕から離れようとしてきた。
僕は離すまいと、ぎゅっと抱きしめた。君は少し暴れていたけれど、しばらくして泣き止んでくれた。
何が辛いの、包み隠さず話して欲しい…僕はそう優しく乞い願う様な声で君に尋ねた。

12/3/2024, 3:25:51 PM

突然いなくなった君に僕は不安に駆られた。
大切な友に僕は見限られたのだろうか…僕はあんなヘマをしなければ…!
怒りがふつふつと湧き、僕に不安の傷を与えた相手に憎悪の念が湧き出た。
その時、君の弱々しい助けを呼ぶ声が聞こえた。
駆け寄ると、苦しげな友がいた。
ああ。僕がそばにいればこんな事には…。許せない。
僕は友を見ながら立ち去ろうとした途端、
さよならは…嫌だ…一人にしないで…。
涙を流す友。そんな目で僕を見ないでよ、余計に切なくなる。
…一人にしない…絶対に。
友を傷つけ、僕をこんな思いをさせたお前を許さない。
僕は誰もいない空間を睨みつけながら、悲しみを帯びた夕暮れの空の下で苦しげな友をおぶさって家へ帰った。

11/16/2024, 1:58:55 AM

降りしきる小雨の中、私は唐傘をさしながら、家路を歩いていた。
村から町へ買い出しと売り物の野菜を売るために来たのだが、急に雨が降ってきた。
その途中、弱々しい鳴き声が聞こえた。ふと横を向くと、雨で濡れた子猫がいた。
ひとりぼっちなのか母猫を探しているのかしきりに弱々しく鳴き声を上げていた。
あなたも一人…なのね。ふと、自分の心情と重ねたが、自分の家では飼えない。
あの時貰った唐傘…今はいない大切な人のことを思い馳せつつ、子猫の上に自分の唐傘を置いてみた。
子猫は鳴き声を止め、ふと私の方を見始めた。黒い瞳。まるであの人のよう…。
そう思っていたら、雨が止んだ。後ろを振り返ると、私に想いを馳せている人がいた。
心配して来てくれたのだろうか? その人は息を切らしていた。帰ろうと言われ、私は小さく頷いた。
私はふと後ろを振り返ると、唐傘と子猫は消えていた。

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