遠い日の記憶は
チョコレートアイス
夜の病院、大き過ぎるスリッパ
寒い冬の夜
父親の運転する車から
ぼんやり、外を眺めれば
街の明かりが流れていく。
3歳になったばかりの私の
記憶は、断片的で
ただ、あの日は私が
お姉ちゃんになった日だったのだ。
久々の、お母さん。
初めて出会う小さな赤ちゃん。
父親の大きな手が私の頭を撫でて
帰り道に、チョコレートアイスを
食べたのだ。
口の中で、じんわり溶けてゆく
チョコレートの味と、微睡んでゆく
帰り道の景色。
それが、私の遠い日の愛おしい記憶だ。
【お題:遠い日の記憶】
空を見上げて心に浮かんだこと
晴れ渡った青空がきれいで
心に浮かぶというよりも
あの美しい青空が、スッと胸の
中に入り込んで…私の心を持ち去った。
青空には、夜の名残りで
取り残された…細く薄い月の欠片が
まだ薄く残っていて。
青空に残された、爪痕のようだった。
【お題:空を見上げて心に浮かんだこと】
終わりにしよう?
いや、もう終わりにしてください!
って何度も何度も何度も…
過去を振り返ると
胸が、心が、あの時の自分が
張り裂けそうで、可哀想だ。
ここまで、必死に繋いできた
自分にありがとう、頑張った!って
そう思うんだ。
風はいつも、追い風
帆を張ってどこまでもどこまでも
世界の広さを知りに行きたい。
私は、私の責任で舵をきる。
旅の支度は、必要かい?
大丈夫だよ。と、声が聞こえる。
【お題:終わりにしよう】
これまでずっと
聞きたかった事がたくさんある。
けど、聞かないからこそ
傍に居てくれてる気がして
この、優しい時間を崩せないでいる。
そうして、知らないままで
ゆっくりゆっくり…終わりを
待つのも良いのかなと
そんな、恋をしている。
【お題:これまでずっと】
あの人に送るLINEの最後は
こう、締め括ることが多い。
「お返事は大丈夫です!」って。
性別関係なく、毎日のように
LINEをポンポン
やり取りする人もいるけれど
もう、それは会話みたいなもんで。
特別な人に送るLINEは
長文になりがちだし
1件のLINEを、送るだけで
少しドキッとしてしまう。
たかが、1件のLINE。
だけど…そこには…私の…
【お題:1件のLINE】