窓越しに見えるのは、濃い霧が漂う
白く静かな闇夜でした。
カエルの声も
虫の鳴き声も
遠くからひっそりと
微かに聞こえるほどで。
ポツリ、ポツリと光る街頭も
白く滲んで、霧の霞に曇っている。
日中夜、容赦なく振り続けた豪雨の
翌日は…あまりにも静かな夜だった。
梅雨明けは、いつだろうか。
雨で木々や、作物は
潤うのに…私は太陽が無いと
枯れてしまいそうだ。
【お題:窓越しにみえるのは】
このお題を見て
ふと、ドラえもん雲の王国という
映画を思い出した。
劇中では、武田鉄矢の
「雲がゆくのは」という曲が
使われている。
幼少期の記憶だから
多少、タイトル等は調べ直したのだが。
歌詞を改めて見ながら曲を聴くと
中々に、良いのだ。
自分のノスタルジックに刺さるような
今の言葉を借りると「エモい」
と言うのだろうか。
3分強ほどの、時間があれば
是非聞いて欲しいと思う。
【お題:入道雲】
夏、私は夏に打ち勝とうとしている。
ここ数年は、熱中症や
夏バテで、負かされてばかりなのだ。
去年は、3度も熱中症になってしまった。
経口補水液も、暑さ対策も
しっかりと念入りにしていたのに。
夏は、私に優しくしてくれない。
初夏〜晩夏に移り変わる様も
大きな入道雲も
緑が濃ゆく萌える木々のざわめきも
私は好きなのに。
ただ、四季の中でひとつ選ぶとしたら
私は「秋」を選ぶだろうし
打ち勝とうとしながらも、好きという
優柔不断な私が、夏に好かれることは
ないのかもしれない。
【お題:夏】
この土地に、越して来たばかりの頃は
家の周りは、ほぼ更地に草が生い茂った
土地ばかりだった。
昔の、ニュータウン。
ご近所さんも、子育てを随分と前に
終えたような年配の世帯が
圧倒的に多かったが。
この、2、3年で…どういうわけか
あっという間に家が建ち並び
若い世帯が、一気に増えたのだ。
まだ、小さかった我が子が
走り回って虫を追いかけた草原は
もうなくなってしまった。
濃い夕焼けが、美しかった景色も
家の向こう側に消えてしまった。
何よりも、肩身がギュッと狭くなったような
席を譲り合って座る息苦しさのような
そんな、心地すら感じ始めている。
雪が積もり、まともなスーパーも無い
この土地は決して住みやすいとは
言い難いのだが…
街の暮らしを、知らない私からしたら
越して来た人たちにとって
この土地は
「ここではないどこか」だったのだろうか。
【お題:ここではないどこか】
3日後にも、珍しく会う約束を
していた。
だから、軽い感じで
「またな!」っと、互いに別れた。
約束の時間。約束の場所。
アイツは、来なかった。
同級生、腐れ縁、親友…
呼び名は幾つもあるかもしれないが
アイツは、アイツでしかなかった。
後に、少し痩せたアイツの母親から
「あの子から…」と、小さな包みを
受け取った。
2人が好きな、ミュージシャンの
アルバムに、夏はフェス参加!!
日付とハッピーバースデー!の
見慣れた文字だ。
約束をした日は、俺の誕生日だったから。
アイツは…
毎年、命日には
あのアルバムを流しながら
アイツに会いに行く。
今年は、結婚の報告もしなくちゃなと
ふと微笑む。
梅雨の晴れ間、真夏のような青空。
今でもアイツは、唯一無二の存在だ。
【お題:君と最後に会った日】