NoName14

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3日後にも、珍しく会う約束を
していた。

だから、軽い感じで
「またな!」っと、互いに別れた。

約束の時間。約束の場所。
アイツは、来なかった。

同級生、腐れ縁、親友…
呼び名は幾つもあるかもしれないが
アイツは、アイツでしかなかった。

後に、少し痩せたアイツの母親から
「あの子から…」と、小さな包みを
受け取った。

2人が好きな、ミュージシャンの
アルバムに、夏はフェス参加!!
日付とハッピーバースデー!の
見慣れた文字だ。

約束をした日は、俺の誕生日だったから。
アイツは…


毎年、命日には
あのアルバムを流しながら
アイツに会いに行く。
今年は、結婚の報告もしなくちゃなと
ふと微笑む。

梅雨の晴れ間、真夏のような青空。

今でもアイツは、唯一無二の存在だ。



【お題:君と最後に会った日】

6/26/2023, 10:54:13 PM