誰にも言えない秘密
秘密だから、誰にも言えないんだよ。
口に出せば秘密が破綻してしまう。
秘密は、出来ればない方が良い。
隠し事とも、嘘とも違うけれど…
秘密なんて
無い方がいいんだ。
【お題:誰にも言えない秘密】
狭い部屋の小さな窓を少し開け
こっそりと、外を眺める。
外は怖いから。
僕は、外には出られないから。
ここには、誰も居ない。
誰も来ない。
何も、聞こえないし。
いつから居るのか覚えてもいない。
けど、時折
誰かが部屋のドアを叩いた気がして
ノブの無い部屋の扉に触れると
涙が頬を伝うんだ。
懐かしい温もり
帰りたいような場所…
『ぉ、母さん?』
自然と口から出た言葉に
扉に目をやると、無かったはずの
ドアノブがキラキラと輝いてあらわれた。
ぁあ…僕は…そうか僕は…
ドアノブに手をかけ
狭い部屋に、別れを告げる。
さようなら。
きっとこの先には
大事な人が、待っているから。
【お題:狭い部屋】
失恋なんて、考えたことがない。
悲しい別れがあったとしても
時が経てば
また他の誰かを
好きになるだろうから。
ひとつの恋を失うことが失恋なのかな?
人を好きになる気持ちを
閉ざしてしまう方が、勿体無いと
この年になると思ってしまう。
たくさん、恋をして
たくさん、人を好きになって
どうか、輝いて…
【お題:失恋】
正直、私の勝手な解釈で
貴方を良い人だと、思おうとしてる。
けど、あなたも私と
同じこと、思ってるでしょう?
お互い様だね。
もっと、傍に行きたいと
言えない私は
手を広げて、待っててくれる
貴方の姿を見ないようにしてる。
近づけば、嘘だったなんて
耐えられるわけがないんだから…
【お題:正直】
洗濯物は乾かないし
湿気は、まとわりついてくる。
傘を持ち歩いての
外出も何かと気を使う。
けど…
静かな部屋で雨音を
聞くのは心地よい。
雨粒が、何かに落ちて
ポタポタと定期的なリズムを刻み…
様々な雨の日の音が
家を包み込んでいく…。
そうして、私も布団に包まって
少しだけ居眠り。
梅雨が明けたらまた
暑いだの、スーパーは寒いだの
言っちゃうんだから。
外出しなくて良い日は
少しだけ、休息というご褒美。
恵の雨にかこつけて、瞼を閉じた。
【お題:梅雨】