お題 高く 高く
書けなかったので思いついた時に書けるように...
お題 子供のように
プレゼントやお土産、貰ったら嬉しいし
その物がなんであったとしても
それを自分のために考えて選んでくれたと思うと
やっぱり嬉しいものだ。
そしてあげた側もまた喜んでくれたら喜んでくれただけ嬉しいはずだ。
お誕生日おめでとう。
はい、これ。
え!いいの?ありがとう!
嬉しい。確かに嬉しい。
でも心の底から嬉しいと思っていても
子供のように無邪気に喜ぶことも
誰にでも愛されるような子みたいに可愛く守ってあげたいと思われるような喜び方も出来ない。
ましてや嬉し泣きすることなんて絶対にできない。
嬉しいんだ。本当に。愛されてるとは思う。
でもなぜこんなにも感情を表に出せなくなってしまったのだろう。
大人になるとはそういうことなのだろうか。
自分の気持ちに対して客観的な自分が
1つガラスの扉を隔てているような感覚に陥る。
そのガラスは段々と曇ってしまって
やりたいこと、好きなこと、好きなもの
何も見えなくなってしまった。
これが大人になったってことなのだろうか。
そうだとしたら大人とはつまらない生き物なのかもしれない。
でも目を凝らして見てみてもわかない。
子供の頃の自分もそんなに感情を表に出していただろうか。
皆がぱっと想像する子供のように過ごしてきただろうか。
子供らしくってなんだったんだっけ。
大人らしくってどういうことなんだろう。
私は精一杯の笑顔を作り笑った。
ありがとう。とっても嬉しい。
ねぇねぇ
放課後、出かけない?
クシャッとした笑顔でそっと耳打ちしてくる親友は
私よりも小柄でみんなから愛されているそんな子だ。
私はこの子のことが大好きだし
きっとこの子もそれなりに私を好いてくれている。
いいけど、お金は...?
へへ、持ってきちゃった
コソコソ話す私たちを見て先生は早く帰りなさいね〜
と言いながら教室を出ていく。
もう教室には私たち二人だけしか居なくなった。
もう既に夕日が刺してきていて
日が落ちるのも早くなってきたと思わされる。
じゃあ、行こうか。
そう答えれば君はうん!と嬉しそうに頷く。
放課後、たまにこっそりお金を持ってきて
一緒に近くのショッピングモールで
何をする訳でもなく2人でふらふらする。
本当は学校にお金を持ってくるのも
放課後家に帰らず制服で出歩くのも校則で禁止されている。
早く高校生になりたいな。そうしたら可愛い制服で
いつでもどこへでも行けるのに。
そんなことをぼやっと呟けば
君はキョトンとした顔でじっと私のことを見たあと
でも先生にバレないようにこっそり遊んでるのも
2人だけの秘密みたいで楽しいよ?
と悪戯っぽく笑う。
いつもそうやって私は乗せられている。
ふふ、それもそうだね。
君とならなんだって楽しいよ。
お題 カーテン
ふわっと風が吹きカーテンに攫われていく君。
私の席は後ろから3番目、窓側から2番目。
私の目を奪って離してくれない彼は左斜め前。
授業中、眠そうにしている君も
隣の友達とくすくす笑いあってる君も
授業に集中してる横顔も
ちょっと頑張れなくて寝ちゃってる君も
窓の外をじっと見つめる君も。
どんな君もかっこよくてついつい目がいってしまう。
違うか。どんな君も見逃したくないのだ。
もちろん授業はそっちのけ。
隣になって話したい気もするけれど
そんな勇気は持ち合わせていないし
隣になったらじろじろ見られないではないか。
時々プリントを回す時に後ろを向く君。
その時一瞬だけ君の視界に入っているはずだけれども
きっと君の心の中に私はいない。
それでもいいんだ。私は今のままで幸せだ。
このままずっと居られたらいいのにな。
そんなことも叶わない。
テストが終われば席替え。
あーあ今日で最後だ。
くじ引きを引き終えて友達とはしゃぐ君を横目に
自分の席に戻る。
私は次は窓際の席らしい。窓際の前から2番目。
君は右の後ろの方。廊下側の席らしい。
離れてしまった。離れてしまっても
最悪君より後ろなら眺めることも出来たのに。
ついてないな。
今日から憂鬱な日々の始まりだ。
ふわっと風が吹きカーテンに包まれる私。
外を見てみると赤のジャージがちらほら見える。
先輩達が体育をしているらしい。
君は窓際で何を見てたのかな。
何も見えないよ。
お題 涙の理由
誰かの、泣いている声がする。
どこからだろう。
しく...しく.........
ここだ。ここの部屋。階段をのぼって突き当たり、
2階の少し広い子供部屋。
3段ベッドと幾つかの勉強机。
そしてその片方の勉強机の下に1人の子供が蹲っている。
どうしたの?
......しく...しく...
返事は無い。
私に気づいていないのだろうか?
私が見えていないのだろうか?
今一度あたりを見渡せば大きな窓があるものの
すべて雨戸が閉まっていて階段にある電気が一筋だけ部屋に差し込んでいる。
そして薄暗い中でもわかる埃っぽさと床に散らばるおもちゃの山。
この子はなぜこんな部屋でひとりで泣いているのだろう。
しく......しく......
相変わらず泣いているその子に
大丈夫かと問うと
ゆっくりと顔を上げて私の顔を見るや否や
......い、.........なさい、
ごめんなさい...ごめんなさい.........
と両手で太ももを擦りながら謝り始めた。
よく見てみれば太ももには包帯が巻かれているが
それは掻きむしったように荒れていて血も滲んでいた。
顔は暗くてよく見えないがこのままでは傷が悪化してしまう。
太ももから手を離させないとと思い手を伸ばした時
はっとあることに気づいた。
この子は知らない子じゃない。
この子は過去の私だ。
それに気づいてから泣いている理由を考える時間など要らなかった。
私は過去大事な時に怪我をして
それでも諦めずに動き続けた結果、失敗し、
皆を負けに導いた。
皆の記憶には残っていないかもしれない。
負けたという事実すら、もう覚えていないかもしれない。
きっと誰も私のせいだとも思っていない。
でも私は自分を許せなかった。
この子は自分に、私に謝っているのだ。
でも許されないことに、許せないことに涙を流している。
泣きじゃくるこの子や傷だらけの足をみて居たら
気づいたら私が謝罪の言葉を零していた。
ごめんね...
傷だらけなのは足だけではないだろう。
私はあの時の私を許せていない。
そしてこの子も自分を許せていない。
そしてこれからも許せることは無いのかもしれない。
私はその子の隣で頭を撫でながら静かに涙を流した。