22.窓越しに見えるのは
私が窓越しに見るものは
毎日毎日違うもの
少しずつかわっている
私が窓越しに見るものは
一日一日の大切さ
少しずつ教わっている
私の窓越しに見えるのは
一日一度君の顔
きらきらまぶしく笑っている
今日窓越しに見えるのは
どんな顔の君だろう
21.一年後
一年なんて
あっというまで
いつのまにか
一年経ってて
なにもできなくて
今年も無駄にしちゃったな。
罪悪感に襲われながら
今年を見送る
一年後は
こんなこと考えなくてもすめばいいな
20.星が溢れる
――今日ですべては終わりにしようと思っていた。
この夏が終わったら死ぬつもりだった。
数え切れないほどの失敗を繰り返してきた。
人に迷惑をかけてばかりの恥の多い人生だった。
生きる価値も考えられなかった。
生まれた地は田舎だった。
育った地は都会だった。
人間が破壊してきた多くの自然、生命。
街を通る車に電車、どんな木よりも高くそびえ立つ高層ビル。
すべてが邪悪な空気をまとっていて、息苦しかった。
もう滅んでしまった生命の叫び。
聞いていられなかった――。
生まれた地には森があった。
唯一、人間に手を入れられていない聖域。
夜だった。
「未来になんの希望も持てないので、いま、はやく楽になろうと思います。これがわたくしの幸福です。」
間違いはないと信じて、上を向いた。
空には、無数の星が輝いていた。
届きそうで届かない、そんな遠くにある光。
精一杯光って、光って、希望の存在を訴えていた。
ここに届いているこの光は、何年前のものだろう。
その何年ものときを超えて、希望は残っていた。
神さまが間違えて星のミルクをこぼしてしまったような、天の川。
いつの間にか、目には涙が溢れていた。
この世界のすべてが、美しいと思えた。
もはや、死にたいとは思わなかった。
この目から溢れて零れ落ちた涙が、空で希望の星となって瞬いていた。
眩い。
希望で溢れている。
――空に、星が溢れている。
19.過ぎ去った日々
私が生まれて
貴方と生きて
いつの間にか
ときが経った
栄華をきわめ
涙をかたった
いつの間にか
貴方は消えた
雨降りのなか
皆で歩いた道
誰もが泣いて
血をながした
生きる心地は
しずかな音色
生きる意味は
わたしの生命
なにも感じず
なにも思わず
ただひたすら
あるいていた
なにも言わず
なにも考えず
ずっと必死に
生き過ごした
私が生まれて
貴方と生きた
かけがえない
幸せな日々は
この手にない
戻りはしない
ただながめる
過ぎ去った夢
ともに生き ともに過ぐしたあの日々は
惜しくおもへど かへらなきかな
18.大好きな君に
ごめんなさい
君のことが大好きです
だから言わなきゃならないことがある
君は傷つくかもしれない
だけど許して
君を一番に考えたんだ
たとえ火の中水の中
いつまでも一緒に幸せにと
誓ったことを忘れるはずもなく
ごめんなさい
私が死んでも
出家などせず
死にもせず
供養もせず
再婚してください
幸せに過ごしてください