17.物憂げな空
上を向くと
いつでも空がある
青く青く奥深く
風が吹いた
雲が流れた
雨が降った
私は泣いた
空がなくなることはない
青くても灰色でも
私と宇宙をつなげている
私が笑っても
私が泣いても
空は動じはしない
穏やかに
ときに激しく
なにを考え
なにを映すか
……物憂げに私達を写す
16.小さな命
うまれたての
ちいさないのち
かよわくて
こわれてしまいそうで
だいじにだいじに
そだてあげた
いつのまにか
たくましくなっていた
これからももっと
おおきくなってほしい
ねがうのはらくだよ
きみは
わたしのためにしんだ
まだ
ちいさなちいさないのちだった…
15.今日にさよなら
目を覚ませば
新しい日がくる
眠っていれば
今日は終わる
なんて当たり前のこと
今日で終わる
なんて
思っていなかった
当たり前のように
一日一日を送ってきた
当たり前のように寝て起きて
今日を見送り明日を迎えた
「おーい…」
あいつは大丈夫かな
無理していないかな
そんなことを考えながら昨日を見送った
負けていいんだ
生きていられればいいんだ
あいつはどこかな
生きているよな?
そんなことを考えながら今日を迎えた
船を目指して浜辺を走る
あいつは無事に船に乗れたかな
そんなことを考えながら今日を過ごしていた
「お兄ちゃん」
あいつの声がした
「お覚悟っ」
気づけばまわりは敵だらけ
当たり前に過ごしていた日々が今日終わる
ここで幕を閉じる
ならば
告げよう
愛おしい日々に
今日を閉じて
人生を閉じる
素晴らしい今日をありがとう
「さよなら」
14.待ってて
「待ってて
あと少しだけ…」
そう言われて
どれほど経ったか
巡り会えたと思えば
いつかまた別れて
長い年月を経た
いまでも君を待つ
もう会えないのかもしれない
何度そう思ったことか
でも僕は諦めない
君を信じているんだ
待ってて
いつか僕が
君を迎えに行く日まで
13.伝えたい
伝えたい
この心に秘められた想い
伝えたい
溜め込まれた気持ち
誰にも思い出されず
ただ独り涙を流した
あの頃に戻れたらな
平和な日々を取り戻せたらな
なんて弱音ばかり吐いて
一歩も踏み出せない
教えてよ
君の本当の想い
教えてよ
君の正直な気持ち
誰にも言えないような
隠し事だらけの自分に嫌気が差した
言葉じゃなくていい
届け
君に届けばいい
きいてほしいんだ
まっすぐなこころ
君に向かって
弦はふるえた
涙はとんだ
さあ
心よ音にのれ
音よ風にのれ
風よ吹け
君に伝えたいんだ