19歳、浮浪

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12/8/2025, 11:20:27 PM

雪原の先へ

立方体のブロック達からなるこの世界に、意思を持つものは自分しかいない。
たまに会う村人達も、皮を被っただけのプログラムで動くナニカであり、意志疎通を図ることは不可能だ。
悲しげな音楽BGMは、胸のどこかが叫びたいような懐かしさを覚える。
歩き続ければ、存在もしないはずの古代人の作ったピラミッドや、メサや、廃坑などがあり、全てが少しずつ廃れた文明を想起させ、私は寂寥感を催す。

ジャングルを抜けると、現実には不釣り合いなほどに綺麗な雪原が広がっていた。

12/6/2025, 5:45:09 AM

きらめく街並み

夜の冷たい風は鼻腔に刺さって痛い。
だけど、冬の空気は澄んでいて気持ちがいいのだ。
夜中にイルミネーションの合間を徘徊して、今日も孤独な心を誤魔化している。
この光達は確かに私の鎮痛剤であり、しかしどうしようもないくらいに憎い。

12/2/2025, 12:15:32 PM

贈り物の中身

贈り物。
それは、送り主が相手にあるメッセージを込めてプレゼントする、何かしらの物体である。
今目の前にあるこの箱は、いかにもその贈り物としての様相を呈しており、是非とも中身を覗いてみたい。
シワの無い包装紙、ピンと張られたリボン、ずっしりとした重み。
どれもが私の心を踊らせるのには充分だ。
しかし、肝心の送り主の名前がない。
先程、贈り物にはメッセージが込められている、と私は述べた。
メッセージとは、良いものばかりではない。
この薄い包装の内側に、醜い悪意が犇めきあっていないとも限らないのだ。

12/1/2025, 9:21:31 PM

凍てつく星空

地球の間氷期は終わり、いよいよ氷期に突入した。
赤道直下、人類最後のエクメーネ。
今宵も僕らは、身を寄せあって眠りにつく。
ふと目が覚めて空を見上げると、まだ星で覆われていた。
僕らが死ぬときも、きっとこんな綺麗な星空の見える日なんだろうな。

11/28/2025, 3:16:01 AM

心の深呼吸

「黙想」

練習前。
この時間だけは、誰もが自分に向き合う。
道場の外から聞こえる、他部活の音や、帰宅する生徒たちの話し声、校庭に生えた木々のざわめき。
空気に溶け込んで、自他の境界を曖昧にして。
そこに待つのは無の世界。

「やめ」

気は練られた。
いざ。

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