それはそれは甘い、夢を見ていた。
あぁ、目が覚めるまでに、この記憶をひとつ残らず心のアルバムに閉じ込めてしまいたい。
現実が苦しくなった時、たとえ幻想でも満たされた記憶があれば、どうにか前を向けるから。
明日、もし晴れたら、
君は僕に会いに来てくれないだろう。
君の笑顔は向日葵のようで、夏の入道雲、蝉が鳴く声、コンクリート上の陽炎…そんな真夏日の象徴がよく似合う人だ。
そんな彼女だけれど、暑いのは嫌いらしい。でも、暑い日に食べるアイスクリームは好きだそうだ。…かわいいひと。
明日もし晴れたら、
僕はコンビニでとっておきのアイスを選んで、君に会いに行こう。
『だから、一人でいたい。』
-カミングスーン-
書きたいお題が溜まっちゃうな…
嵐が来ようとも、君に会いに行くよ。何が起きても君を守る。
街を歩いていると、なんとも恥ずかしくなる様な台詞で口説かれた。一目惚れだそう。変わった人もいるもんだ。
撒くのに少し苦労した。だがそれよりも、面白い話のネタが出来た、と思う。気分良く行きつけのバーに向かった。
〜〜〜
「なんですって?そんな馬鹿言う男はやめときなさい。嵐が来る日はサッと帰って、身の安全を確保するのよ。それが第一優先。自分の身すら守れない男が貴方のこと守れるはずも無いわ。」
いつも妙に現実的で、でも私に寄り添ったアドバイスをしてくれるバーのママ。
『…そんな男より、アタシにしない?』
いつかそう言わせるのが、私の夢。
[嵐が来ようとも]
「誰かのためになるならば、この身など惜しくない。」
そんな風に、簡単に自分を犠牲にできるの、何故ですか。
そういうのやめてって、散々言ったじゃないですか。師匠。
でも貴方はスーパーヒーローで、この世界を照らす光!…ですもんね。わかってます。私のエゴだって。
貴方の手で大勢が救われた。大勢から見たら、素晴らしく華々しい最期です。
だけど、私は?貴方の隣に立ち続けた私は、どう、思えばいいんでしょうか。共に戦いながら、貴方を守り切れなかった私は。
師匠であり相棒であった貴方がもう、いないだなんて。
私はこの先毎日、貴方の影を見るだろう。それを振り払いながら生きていかねばならない。
そんなのって、ねぇ。師匠、私のことも救って。今すぐここから攫ってください。
貴方のいない今の、色の無い世界に守る価値など無い。
ひとり呟く、誰にも届かない声。
『誰かのためになるならば』