「誰かのためになるならば、この身など惜しくない。」
そんな風に、簡単に自分を犠牲にできるの、何故ですか。
そういうのやめてって、散々言ったじゃないですか。師匠。
でも貴方はスーパーヒーローで、この世界を照らす光!…ですもんね。わかってます。私のエゴだって。
貴方の手で大勢が救われた。大勢から見たら、素晴らしく華々しい最期です。
だけど、私は?貴方の隣に立ち続けた私は、どう、思えばいいんでしょうか。共に戦いながら、貴方を守り切れなかった私は。
師匠であり相棒であった貴方がもう、いないだなんて。
私はこの先毎日、貴方の影を見るだろう。それを振り払いながら生きていかねばならない。
そんなのって、ねぇ。師匠、私のことも救って。今すぐここから攫ってください。
貴方のいない今の、色の無い世界に守る価値など無い。
ひとり呟く、誰にも届かない声。
『誰かのためになるならば』
7/26/2024, 1:26:25 PM