どうしても視線が外せない。
あの子の声が聞こえると、すぐ振り返ってしまう。
一歩進むか、後ろにさがるか。
どうしよう。
そんなことを考えながら、声のする方を見つめた。
彼女と目が合って、パッと笑顔を見せてくれる。そして小さく手を振ってくれた。
たったそれだけで胸が暖かくなる。
俺も彼女に手を振り返して、その手を胸に添えた。
なんか満ち足りた気持ちになって、自然と顔が緩む。
なんか、これだけでいいや。
うん、それだけでいい。
おわり
六八八、それでいい
私の薬指に輝くアイスダイヤモンドの指輪。
それは恋人から貰った約束の指輪。
青が好きな私と彼。
それが縁になって今の関係になっていった。
一般的にはダイヤモンドの指輪だと思うのだけど、私たちを結んでくれた水色の指輪を贈ってくれた。
それを見ていると頬が緩んで仕方がない。
世界でひとつだけの宝物。
おわり
六八七、一つだけ
他人から、友人へ。
友人から、恋人へ。
恋人から、お嫁さんに。
少しづつ変わっていく彼女との関係。
いつしか彼女と家族となって、大切な家族を増やせたら、嬉しいな。
おわり
六八六、大切なもの
午前中についても平気なウソ。
何かあるかなぁと考えていた。
恋人を驚かせる何かを考えてもなー。
無垢な瞳は俺の言葉を信じてしまうだろう。
嘘をついても怒られないことを考えようと思うけど……なんかなー。気乗りしないんだよねぇ。
モヤモヤするんだよな。
俺は自然と胸をさする。胸焼けを抑えるようにぐるぐる回してしまっていた。
俺の言葉を正面から信じる彼女の笑顔を思い出すと、やっぱり嫌だな。
「ウソ、つきたくないかも」
おわり
六八五、エイプリルフール
戸籍は既に変更していて、彼女は俺の家族になりました。式もあげているんだけど、今日はまた別な意味で特別な日。
ずっと気になっていた小さいチャペルで写真を撮影することにしていた。
ふたりで見つけて、いつかここでと願っていたんだけど、俺の職場も彼女の職場も呼ばなければならない人がそれなりにいる。
だから、このチャペルで式をあげるのは難しかった。
その結果、ふたりだけで撮影をすることにしたんだ。
式とは別に用意したウェディングドレスに身にまとった彼女がまた愛おしくて。
髪の毛も少し変えてくれているから、いつもと違う彼女にドキドキしてしまう。
「どうですか?」
「めちゃくちゃキレイ」
素直な気持ちを伝えると、嬉しそうに微笑んでくれた。
俺は彼女に向けて手を差し伸べると俺の手を取ってくれる。
「一緒に幸せになろうね」
「はい、一緒に幸せになりましょう!」
いつまでも一緒に。
おわり
六八四、幸せに