そこにいるのは気になる彼女。
俺の事には気がついてないみたい。
どうしようかな。
声をかけたいけど、不自然じゃない?
周りにいる人達はそんなの気にしないメンバーかな。
ひとりになってくれたら声掛けやすいと思っていたら、みんなの話から少し離れた。
今のうちに何気ないふりをして彼女に話しかけようと思って、彼女のそばに近づく。
「あ、こんにちは!」
俺の声に気がついて、可愛らしい笑顔を向けてくれる。
「こんにちは!」
ああ、やっぱり。
この笑顔は俺の胸を暖かくしてくれる。
おわり
六八三、何気ないふり
左手を上げて、薬指にハマったアイスダイヤモンドの指を見上げる。
薄水色の石が綺麗で吸い込まれるように見上げて、見上げてゆっくりとソファに転がった。
きらりと光る指輪を見続けていると顔が緩む。
へっへっへっ。
変な笑いが込み上げる。
でも、これがハッピーエンドではない。
これからハッピーエンドにするんだ。
彼と一緒に。
おわり
六八ニ、ハッピーエンド
彼女と目が合うことが増えたなと、最近思っている。
毎回目を丸くした後に、へにゃっと笑ってくれて、それが凄く可愛いんだよね。俺も同じように笑って彼女に手を振る。
これがさ、結構ドキドキして胸が暖かくなるんだ。
この感情の名前を、俺はまだ知らないまま。
おわり
六八一、見つめられると
認めてしまえば簡単で。
なんで否定できたんだろうと思うくらいには彼女に惹かれているんだ。
目が離せるくらいなら否定できたよ。
それが出来ないくらい、彼女の存在は俺の中で大きくなっていたんだから。
ここでは大切な人を作らないって決めていたのに、スルッと俺の心に入り込んで、笑顔が離れなくなった。
本当に、自分の心なのにままならないよね。
おわり
六八〇、My Heart
大好きな社長のようにシゴデキで格好良いオンナになりたい!
私が仕事で大きな失敗した時、そのフォローの対応に感謝しかなくて、格好良くて。この人の背中を見て役に立てるようになろうって思ったんだ。
社長は可愛い衣装も似合うし、仕事の時のスタイリッシュな姿も格好良くて憧れなの。
悩みも真摯に聞いてくれたし、笑いながら助けてくれた。私もそんな人になりたいんだ。
おっちょこちょいな私は、些細な凡ミスをしてしまう。ミスはミスとして報告し、自分でも対応できるようになった。
できることも増えたし、後輩もできて、先輩として教えられるようにもなった。
それでも、まだ追いつけない。
そりゃそうだよね。社長も成長しているんだから。
「なかなか上手くいかないなー」
そんなふうに恋人に言うと、彼は笑ってポンと頭を撫でてくれる。
「大丈夫だよ」
その瞳は優しくて、私の好きな表情を向けてくれた。
「君には君の良さがあるんだから」
おわり
六七九、ないものねだり