星を冠する言葉を名前に含めている恋人だから、夜空を見つめると、どうしても彼女を思い出してしまう。
色素が薄くて透明感がある彼女。
暗いところにいると柔らかく光っているみたいに見える時があるんだよ。
今はそばにいないけど、夜空を仰ぐと星が溢れてきらきらしていて。彼女がそばにいてくれるように思えて、胸が暖かくなった。
今日も仕事、頑張れそうだな。
俺は空を背中に仕事場に戻った。
おわり
六六八、星が溢れる
ようやくの思いで気持ちを伝えた。
いや、情けないことに事故に近いんだけどさ。
引くに引けなくなって、彼女に「好きなんだよ」って伝えられた。
驚いた顔をしていたし、白い肌が真っ赤になっていて。俺にはそれも可愛いって思っちゃったよ。
俺の真剣な気持ちを受け止めてくれたあと、穏やかな瞳が俺をじっと見つめてくれた。
穏やかな瞳だったけれど、なんて答えてくれるか分からないから不安が押し寄せる。
そして、開いたくちびるから伝えられた言葉。
聞き間違いかと思ったんだ。
でも彼女は輝くような笑顔を向けてくれる。
これって……聞き間違いじゃない。
「ありがとうございます、好きになってくれて!」
「俺こそありがとう!!」
おわり
六六七、安らかな瞳
ちょっとずつ知っていく君に胸が高鳴って仕方がない。
それを抑えながら彼女と遊んでいると、そばに居たくなる。
俺じゃない誰かに向けている笑顔にもモヤモヤしちゃうんだ。
その笑顔は俺に向けて欲しい。
遠目で彼女を見つめる。
その無垢な表情は、心が暖かくなるんだよ。
俺の視線に気がついたのか、彼女は俺を見つけて華やかな笑顔をくれる。
その表情を見て思うんだ。
俺の隣にいてくれたら嬉しいって。
おわり
六六六、ずっと隣で
彼女と知り合ったばかりの時は、いや今でもそうなんだけれど、大体変なことに巻き込まれて怪我をしている印象で。
幼さと無垢さを覚えたから、俺が守らなきゃって思ったんだ。
それなのに彼女は強くなっていく。
俺が守るんじゃなくて、俺の隣にいられる自分になろうとしてくれる。
俺の知らない君のこと、もっともっと知りたいんだ。
ねえ、教えてよ。
他にもどんな君がいるの?
おわり
六六五、もっと知りたい
仕事も平穏な日常のひとつ。ではあるけど、救急隊の仕事をしていると、それを日常とは思いたくはなかった。
似たようなケースがあっても同じケースなんてない。
だから家に帰ると安心する。
恋人と過ごす時間が穏やかで、心地よくて、愛おしんだ。
「お疲れ様です」
柔らかく微笑んでくれた彼女が温かいココアを差し出してくれる。
俺はそれを受け取って、ゆっくりと口つけた。
甘さが身体に染み込んで、疲れを癒してくれる。
「はぁ〜オイシイ〜」
「うふふ、良かったです」
そんなふうに答えてくれる。
こんな穏やかな時間が何よりも大切な日常だと思った。
おわり
六六四、平穏な日常