地味な凡ミスなんだけれど、特に注意していたことをミスってしまい地味に凹んでいた。
「はあ……」
のんびり外に出ると、曇天が広がっていた。
物憂げな空が今の俺の気持ちとダブってより気が重い。
身体を絞めて来るような重さが、怠さを増して気分がより気落ちしてしまう。
「あれ、どうしたんですかー?」
気になる彼女が視界に入り、華やかな笑顔を俺に向けてくれて胸が高鳴る。
「あ……」
俺の顔を見た彼女はカバンから炭酸飲料を差し出した。
「さっき見つけたんです、クリームソーダ味!」
差し出された炭酸飲料を軽く受け取る。
重さを感じず変に力んでいた身体の力が抜けていく気がした。
「ありがとう」
安心したように微笑んでくれる彼女を見て空は変わらないのに、心が晴れていくのを感じた。
おわり
六五〇、物憂げな空
お腹をジッと見つめる。
特に目立ったものはなくて不思議に思ってしまう。
視線を戻してエコー写真を見つめてニヤッと変な笑みを浮かべてしまった。
一瞬鏡に写った自分の顔も視界に入ってしまい、それがとんでもなくだらしのない顔でスンと真顔になる。
でも、緩む。
改めてお腹をさすった。
嬉しい、嬉しい、嬉しい。
愛しい彼と願った小さな命が私のお腹に宿っている。
色々大変なことはあったけれど、それでもようやく宿った愛しい命だ。
「うれしい……」
私は自分の身体を優しく抱きしめる。
これで彼に本当の家族ができるんだ。
もちろん、私にも。
おわり
六四九、小さな命
彼女と恋人になって、一緒に暮らすようになってそれなりに経つ。
ひとりで暮らしていた時は確かに気楽だったんだけど、もうひとりに戻れる気がしない。
彼女と一緒にいる時は当然気を使うところはあるんだけどさ、それでも嫌じゃないんだよね。
彼女だって俺に対して気を使ってくれていると思うんだ。
その中でそれぞれが過ごしやすい時間を見つけて、落としどころをつけようって考えていたのに彼女との時間は本当に楽なんだよね。
それを一番感じるのは睡眠の深さだ。
彼女の体温は心地よくて、ひとりで眠っていた頃よりしっかりと疲れが取れている。
睡眠時間は変わらないのに質が変わってるんだ。
彼女に無理させていないか聞いてみても、「無理してませんよ」と満面の笑みで返される。
彼女と共通の友人にお願いして、それとなく聞いてもらっているけど、やっぱり「無理していない」と言われたみたい。
それどころか、「最近睡眠がしっかり取れて仕事が捗っている」と返されたらしい。
それを聞いた俺を見た友人は指をさして爆笑していた。
そりゃ、一緒に過ごしてから睡眠の質が上がったなんて言われたら、俺と同じなんだと思って頬が緩んじゃうでしょうが。
ああ本当に。
彼女のことを好きになって良かった。
おわり
六四八、Love you
気になる人は屈託なく笑う人。
初めてそれに気がついた時に、太陽を背負っていたからなのか、私から見た彼は太陽のような人……だと思ってしまった。
笑顔の眩しさ、優しさも。
それを見ているとその光が強くて胸が痛むのも。
おわり
六四七、太陽のような
〝好き〟って気持ちを認めて、彼女の気持ちを受け入れて。
俺の〝好き〟も受け入れてもらって。
彼女と恋人っていう関係をゼロから始めます。
大好きな彼女を腕の中におさめると、優しい温もりを感じて眠くなる。
身体の力が抜けていく。
こんなに安心ししたのは初めてで……。
俺が思うより早く意識を手放してた。
おわり
六四六、ゼロからの