恋人の笑顔がどこか余裕がない感じがする。
心配かけないように笑ってくれるけれど、なんと言うかな……ちょっと違うんだ。
お風呂上がり、のんびりしている彼の背中を見ていると、それでもどこか切なそうに見える。
隠そうと思っても、私には分かるんだよ。
私は彼の隣に寄り添うように座って彼の肩に頭を乗せた。
「ん?」
優しい声だ。
でもちょーっと違う声。
「んーん、そばにいたいの」
彼が何を思っているのかは分からない。
でも凹んでいるのは分かるから、私は彼に寄り添うだけ。
おわり
六四五、同情
夏が終わって涼しくなり、緑色だった木々の色が褪せる。
枯葉が落ちて落ちて。
寒そうな肌が見えていた冬が終わりを迎えようとしている。
これから春がくるんだ。
愛しい彼女と肌を寄せあっていた季節が終わってしまうのは、少し寂しく感じてしまった。
おわり
六四四、枯葉
お風呂に入った後、ベッドに転がって身体を伸ばす。
なんとも言えない充実感が内側から溢れ出す。
今日は本当に楽しかったぁ……。
気になる彼とふたりでお出かけ。
色々と話して相手を知ることができたから嬉しくて嬉しくて……今もドキドキしてる。
ふう。
深呼吸をして瞳を閉じると、ベッドに身体が沈んで行くのを感じた。
おやすみ、今日。
また明日ね。
おわり
六四三、今日にさよなら
彼女を見ていると口角が上がる。
あまりにも緩い顔になるから表情を隠すのに必死です。
この後、彼女と遊びに行くことになっていて頬が緩みっぱなしなんだ。
ヤバいな、身体が軽いや。
俺、自分が思っているより、ずっと楽しみにしてる。
ただのお気に入りなんだと思っていたけど……違う気持ちが生まれているの……かな。
おわり
六四二、お気に入り
バレンタインの日に恋人から毎年チョコを貰っている。
毎年趣向をこらしてくれていて、地味に楽しみになっていた。
普通のチョコだったり、ホットチョコレートにしてくれたり、工夫してくれている。
そして今年出たのはチョコアイスだった。
「え、これ……」
「懐かしいですよね!?」
そう頬を染めながら眉を八の字にして微笑む。
そう、懐かしいんだ。
「今回は、いーっぱい愛情を込めましたからね!」
「え、もしかして手作り!?」
「はい、手作りです!」
俺は視線をチョコアイスを送って、どうしても懐かしく思う。
まだ友達の時に彼女がくれたのは手作りのチョコアイスだった。
あの時のは俺のためじゃなかったとは思う。
でも手作りで作る、その手間を考えると誰よりも贈る相手を思っていると伝わったんだ。
改めて彼女を見つめると、首をかしげて不安そうに俺を見てくる。
そうだね。
俺は、彼女の相手を思いやるところを好きになったんだ。
誰よりも俺を思ってくれる彼女を好きになったんだよ。
それを思い出しながら彼女の作ってくれたチョコアイスを口に含む。
「ん〜〜〜、おいしーいー」
おわり
六四一、誰よりも