最近よく、あの子の顔がちらつくんだ。
彼女と同じく大好きなクリームソーダを買う時。
雲一つない真っ青な空を見かけた時。
彼女の仕事場を視界に入れた時。
どうしても、彼女の笑顔がちらつく。
ひとり寒くて、疲れて、寂しくて。
笑顔になれない時に限って、偶然の糸が紡がれて彼女の笑顔を見ることがあるんだ。
一回じゃなくて。
そういう回数が続くと自然と彼女を捜しちゃう。
彼女を思い出すと胸が暖かくなる。
自然と笑顔になっちゃうんだ。
彼女のことは、きっともう特別なひとなんだ。
おわり
六二三、I LOVE……
未来を掲げて、私は足を進める。
荷物は最低限だけ。
あとは新しい街で新しい自分で生きるんだ。
そう決めて飛行機から降り立ち新しい街にたどり着いた。
初めて感じる空気に胸が高鳴る。
ここには今までの私を知る人は居ない。
私も知らない私になるんだ。
顔を上げると雲ひとつない真っ青な空が広がっている。
私は期待に胸をふくらませて新しい街へ一歩踏み出した。
「どんな未来があるのかな」
おわり
六二二、街へ
彼の優しさは残酷だ。
誰にでも優しくて人たらしだから、独りになった人にとってその優しさは彼に特別な想いを宿らせてしまう。
なにより私も特別な想いを寄せてしまった。
胸の奥にしまい込んでいるけれど、そろそろ溢れそうになっている。
他にも想いを寄せている子がいるのも知っているの。
だから。
彼を困らせたくないから。
彼への気持ちを胸の奥に隠して、なにも無かったように笑うの。
彼が寂しそうにしていたら、トモダチって笑うの。
でもね。
誰にでも優しくしている姿を見て胸が締め付けられる時があるんだよ。
おわり
六二一、優しさ
一緒に住んでいる彼は今日は夜勤で帰ってこない。
寂しい時間が続くけれど、早めに眠って目を覚ましたら彼を元気な顔で出迎えたいんだ。
時計を見つめると今日が終わりを迎えようとしていた。
明日の朝ごはんの支度もしてあるから、あとは寝るだけ。
私はベッドに潜り込む。
隣が広くてやっぱり寂しいから、早く目を閉じて彼が帰ってくる時間を楽しみにしよう。
おわり
六二〇、ミッドナイト
気持ちを認めていいの?
彼が好きだと認めていいの?
胸がキュッと締め付けられる。
彼を異性として好きだと言っている人がいるのは知っている。
だから胸の奥にしまっていたんだけど、止められないくらい溢れ始めていた。
いつか彼に気持ちがバレてしまうかもしれない。
それが怖い。
彼の前でいつも通りに笑顔でいられたらいいんだけど……。
変わらない笑顔の仮面。
彼が来ても問題なく付けていられたら安心するのにな。
おわり
六一九、安心と不安