私の恋人は救急隊でお仕事をしています。
年末年始は毎年彼が仕事をしている。
そんな年末年始のお仕事が一段落したので、ふたりで日の出を見るために出かけた。
これは去年も一緒で、同じ場所じゃないけれど日の出を楽しめる宿を事前に予約しておいたんだ。
「……ちゃん、起きて」
身体を揺さぶられて目を覚ます。
大好きな人の声は心地よくてもう一度意識を手放そうとしてしまう。
「起ーきーて、朝日見らんなくなっちゃうよ」
強い声が耳元から聞こえてから、一気に目を覚ます。
そうだ!!
日の出を見ようと話していたんだ。
私は勢いよく身体を起こすと、苦笑いして上着をかけてくれる。
「おはよ」
「おはようございます」
優しく微笑んでくれる彼に胸が暖かくなった。
時計を見ると、まだ日の出にはちょっとだけ早い時間。
でもこれ以上遅くなると、見逃してしまいそうだった。
私は急いで着替えて、彼の隣に立つ。
カーテンを開けた窓から少しずつ光が少しずつ地平線から上がってくる。
冬の空は空気が住んでいて美しいという言葉がとてもあっていた。
手のひらに暖かいものが包まれる。私は隣にいる彼を見上げた。
優しい瞳が私を見つめてくれる。
「今年もよろしくね」
「はい。これからも、よろしくお願いします!」
ほんの少し、彼に驚きの色が見えたけれど、直ぐに眩い笑顔を見せてくれた。
おわり
五九九、冬晴れ
「ただいまー!」
これでお正月休みの仕事も一段落した日。
家に帰ると、ひょこっと顔を見せた恋人が嬉しそうな表情で俺に向かって走ってくる。
「おかえりなさいー、そして年末年始お疲れ様でしたー!」
「ありがとー、ずっとフォローしてくれたからだよー」
正面から抱きついてくれるから、俺もしっかりと抱きしめかえす。
これも俺たちの日課のひとつ。
些細なことだけど大切なことで、感謝は絶対に忘れたくない。
彼女も俺を尊重してくれるからこそ、〝ありがとう〟の言葉を大切にしたいんだ。
「明日からの旅行、楽しみですね」
「そうだね。旅行先じゃ、ゆっくりしてね」
「あなたの方こそ!」
ふふっと愛らしい笑顔を見せてくれて、胸が暖かくなる。
ああ、幸せだなぁ。
おわり
五九八、幸せとは
去年もこの時期はひとりだったな。
今は寂しいところだけれど、お正月休みが明けたらふたりで日の出を見に行くと決めている。
去年も行ったんだ。
ここからが私たちの新年初日の出ってことで、とても素敵な朝日が見られた。
それをふたりで思い出したから、事前に計画していたんだよね。
まだ忙しい日々が続くけど、落ち着いたらふたりで旅行。
そこで日の出を見ることで、私たちの新年を始めようと思ってる。
おわり
五九七、日の出
恋人がお仕事に行っている間は私が家事を担当。
普段は当番制なんだけど、片方の仕事が繁忙期に差し掛かると、もう片方が家事のフォローに回る。
私の職場は年末年始お休みなんだけど、緊急な連絡が入れば私が率先して仕事に出るようにしていた。
そうすればお正月休みが終わったあとに休みを取りやすくしたいからだったりする。
「そういえば……」
昨日の元旦、彼がお仕事先で〝今年の抱負〟を書いたと聞いた。
彼が何を書いたかは毎年教えてくれないけど、彼の病院に行けば張り出されているんだよね。
年明けに見に行こ。
そんなことを思いながら少しだけ考える。
私の豊富は……と、ちょっとだけ思考をめぐらせるけど、あまり深く考えなくても決まってるな。
彼と良い時間を過ごせますように。
かな!
おわり
五九六、今年の抱負
元旦だけれど、今日は恋人がお仕事の日。
言っちゃうと普段通りと言えば普段通りだったりします。
彼にはギリギリまで休んで欲しいから、そっとベッドから抜け出して朝ごはんの支度をする。
トーストに、スクランブルエッグにベーコンかな。
トーストをオーブントースターに入れて、温めているとパンが温められる香りが部屋に広がった。
ベーコンも軽く炒めて、彩りも欲しいからサラダを用意しているとダイニングに寝ぼけ眼な彼が入ってくる。
「おはよぉ……」
もう少し眠っても平気かなと思ったけれど、時計を見たらちょうど良い時間だったから彼の胸に飛び込んだ。
「おはようございます。あと、あけましておめでとうございます〜」
「あ、そうか。あけましておめでとう。あと、おはよ〜」
きゅーってしてくれた後に顔を上げるとふわりと微笑んでくれた。
髪の毛が凄い爆発しているのがまた微笑ましくて、愛しくなっちゃう。
「今年もよろしくね」
なんとも気の抜けた声だったけれど、それが〝私たちのいつもの時間〟を感じて嬉しくなる。だから元気よく彼に応えた。
「はい! 今年もよろしくお願いします!」
おわり
五九五、新年