「見てくださいー!」
前を歩いている恋人が振り向く。
寒空の中、寒さで頬を赤らめつつ息を吐いた。
「息が白くなってますー!」
目を輝かせて無邪気に笑っている彼女が愛らしくて自然と表情が緩んでしまう。
本当に可愛くて愛しいね。
おわり
五七〇、白い吐息
きらめく街並みの中には、大好きな恋人が命懸けで人を助けに行っている。
彼は優しくて太陽のような笑顔をくれる救急隊員さん。
この都市は眠らない街だから、昼夜問わずに誰かが助けを求めている。そんな人たちを助けたいって手を振ってくれた。
彼の背中はとても頼もしい。
危険なことはして欲しくない気持ちはあるけれど、それでも彼の背中に誇りを感じて。
やっぱり好きだな。
って思ってしまう。
だからこそ、一緒にいる時はめいっぱい甘やかすんだ。
きらめく街並みのどこかに、彼がいる。
おわり
五六九、消えない灯り
夜勤の中、一段落ついて廊下を歩いていた。
疲労も出てきたから、目を覚まそうと飲みものを買おう。
窓から外を見ると、夜景の中にたくさんの照明がキラキラ輝いている。
ここは都会のど真ん中にある大きな病院だから、この都市を見下ろしていた。
と、言っても高層ビルが近くにあるものだから、この病院も見下ろされているんだけどね。
もっと高いところから見える景色であれば、ジュエリーボックスのような夜景ってやつになるのにな。
このキラキラとした都市の中には、気になる彼女もいる。
俺の手で届く限り手を差し伸べていきたい。
そんなことを思いながら、自販機で買った飲みものを口に含んだ。
おわり
五六八、きらめく街並み
明日、愛しい人と家族になります。
その人との出会いも、今までの時間も、これからの時間。その全てが宝物だ。
だいすき、という気持ちと一緒に感謝の気持ちを精一杯込めて水色の便箋につづっていく。
大したことはないけれど、それでもありがとうを込めてペンを走らせた。
書き終わって同じ水色の封筒にいれて、引き出しの中にしまう。
ちゃんと言葉にはするけど、今の気持ちを形にしたかった。
この手紙は、いつか……ね。
おわり
五六七、秘密の手紙
昨日までは暖かいを通り超えて暑かったのに、今日は本当に寒かった。
――
私は先にお風呂をいただいたので、恋人はお風呂に入っている。
風邪をひかないよう今のうちに暖房をつけて寝室を温めていた。
「はー、暖かいー」
頭をタオルでわしゃわしゃと拭きながら彼が寝室に入ってくる。
「わ、ちゃんと髪の毛乾かしてくださいね?」
「えー暖かいから良くない?」
「良くないです」
「ここにドライヤー持ってきてもいい?」
「あ、じゃあ私がかけてあげます」
「やった!」
弾む声でドライヤーを取りに行く。
嬉しそうな笑顔で持ってくると、コンセントに指してから私にドライヤーを向けてくる。
「よろしく!」
彼の満面の笑みに胸が暖かくなりながらドライヤーを受け取った。
ヘアミルクをつけてブラッシングをしてからドライヤーをかけていく。根元からしっかりね。
ある程度乾かしてから、冷風で全体にドライヤーをかける。
「乾いてないところありますか?」
「……大丈夫そう」
少し考えてからそう答えてくれる。
私はまた温風に戻して全体にドライヤーかけた。
「寒くないですか?」
「うん」
ドライヤーを止めて、軽くまとめていると彼が後ろから抱きしめてくれた。
「急に寒くなったから抱き枕になってね」
私が乾かした彼の柔らかい髪が頬にあたって嬉しくなる。
「私も抱き枕になってもらいますからね!」
おわり
五六六、冬の足音