とある恋人たちの日常。

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 昨日までは暖かいを通り超えて暑かったのに、今日は本当に寒かった。
 
 ――
 
 私は先にお風呂をいただいたので、恋人はお風呂に入っている。
 風邪をひかないよう今のうちに暖房をつけて寝室を温めていた。
 
「はー、暖かいー」
 
 頭をタオルでわしゃわしゃと拭きながら彼が寝室に入ってくる。
 
「わ、ちゃんと髪の毛乾かしてくださいね?」
「えー暖かいから良くない?」
「良くないです」
「ここにドライヤー持ってきてもいい?」
「あ、じゃあ私がかけてあげます」
「やった!」
 
 弾む声でドライヤーを取りに行く。
 嬉しそうな笑顔で持ってくると、コンセントに指してから私にドライヤーを向けてくる。
 
「よろしく!」
 
 彼の満面の笑みに胸が暖かくなりながらドライヤーを受け取った。
 ヘアミルクをつけてブラッシングをしてからドライヤーをかけていく。根元からしっかりね。
 
 ある程度乾かしてから、冷風で全体にドライヤーをかける。
 
「乾いてないところありますか?」
「……大丈夫そう」
 
 少し考えてからそう答えてくれる。
 私はまた温風に戻して全体にドライヤーかけた。
 
「寒くないですか?」
「うん」
 
 ドライヤーを止めて、軽くまとめていると彼が後ろから抱きしめてくれた。
 
「急に寒くなったから抱き枕になってね」
 
 私が乾かした彼の柔らかい髪が頬にあたって嬉しくなる。
 
「私も抱き枕になってもらいますからね!」

 
 
おわり
 
 
 
五六六、冬の足音
 
 
 

12/3/2025, 2:10:50 PM