小さい頃は雪が降ってくると
「雪積もるかな?」
「積もったらみんなと雪合戦したいなぁ。」
なんてうきうきしたものだ。
大人になった今は、
寒いのが苦手なあなたが凍えていないか心配になる。
きっとあなたのことだから、
手袋もマフラーも、防寒バッチリでいるんだろうなぁ。
鼻を真っ赤にしてマフラーぐるぐる巻きのあなたを思い出し、可愛さににやける。
…あーあ、会いたくなっちゃった。
「今から行く」とだけ連絡し、
うきうきしながらあなたのもとへと向かう。
240107 雪
君と一緒にいられる、
ただそれだけで良かったのに。
報われることのない想いに蓋をしようと思っていたのに。
君が向ける視線を、
君の笑顔を、全てを独り占めしたい。
一緒にいればいるほど、欲深く、醜い自分になっていくのがわかる。
そんな僕のどろどろとした感情になんか気づかず、今日も君は僕に笑いかける。
…想いが決壊してしまうまで時間の問題かもしれない。
_______
「君と一緒なのに…本当鈍感。」
240106 君と一緒(に)
「寒っ、くない…?」
あなたとの待ち合わせ場所に向かおうと外に出ると、いつもなら寒さに凍えるのだが今日は予想外に暖かい。
体の強張りが解ける。
冬晴れありがとう。
…ついでに大好きなあなたに久々に会える緊張感も解けてくれたら嬉しいのに。
240105 冬晴れ
「おはよう」と言いながらも布団の中で丸まって起きる気配のない姿。
「あれ、スマホどっかいった。」
「さっきソファの上にあったの見たよ。」
「すまん、ありがと。」
なんていう忘れ物が酷いあなたとのよくある会話。
「美味しい?」
「うん、美味しいよ。」
「苦手なブロッコリー入ってるんだけどわかった?」
「え?ちょ、どこ?!」
なんていう苦手な食べ物をバレないように料理に入れた時の会話。
「おやすみ」と言った次には寝息を立てて寝ている姿。
当たり前にあなたが隣にいるこの日常。
幸せとはこういうことなんだろうな。
240104 幸せとは
目覚ましが鳴る前に起きてしまった。
もう一度寝るには時間がない。
なんとなく朝の静けさを感じたいとベランダに出た。
「さっむ…。」
つんとした冬の朝の空気が俺を纏う。
しばらくぼーっとしていると、耳慣れた足音が聞こえる。
「なにしてんの?」
「うーん、なんとなく?」
「寒くない?」
「慣れちゃった。」
「風邪ひくよ。お布団戻ろ?」
「うん。…あ、見て!日の出!」
「…本当だ、綺麗。きらきらしてる。なんか得した気分。」
そう言ってにこっと笑ったあなたの顔が、俺には何よりも輝いて見えた。
240103 日の出