目覚ましが鳴る前に起きてしまった。
もう一度寝るには時間がない。
なんとなく朝の静けさを感じたいとベランダに出た。
「さっむ…。」
つんとした冬の朝の空気が俺を纏う。
しばらくぼーっとしていると、耳慣れた足音が聞こえる。
「なにしてんの?」
「うーん、なんとなく?」
「寒くない?」
「慣れちゃった。」
「風邪ひくよ。お布団戻ろ?」
「うん。…あ、見て!日の出!」
「…本当だ、綺麗。きらきらしてる。なんか得した気分。」
そう言ってにこっと笑ったあなたの顔が、俺には何よりも輝いて見えた。
240103 日の出
1/3/2024, 4:48:12 PM