ポピット

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7/23/2024, 7:23:20 AM

もしもタイムマシンがあったなら、亡き祖母が老い始めた頃に戻りたい。

横断歩道の信号が点滅してもゆっくりと歩く祖母を、数メートル離れた場所から苛々しながら見ていただけの学生時代のわたし。
膝や腰が痛く一歩一歩ゆっくりでしか歩けない状態を、車の迷惑になるだろうと歯痒く思っていたのだ。


数年後に祖母が病気で亡くなってから、この出来事を繰り返し思い出しては後悔している。

横断歩道を渡る祖母と歩調を合わせたり、足が悪い状態なのは運転手側から見ても一目瞭然だから迷惑をかけると心配をする必要など無かったのに。

小学生まではお婆ちゃんっこだったのに、祖母にたくさん可愛がってもらったのに、祖母が老いてからは冷たく接していた。可哀想なことをしたと後悔してきた。

「お爺ちゃんお婆ちゃんが死んだ時、後悔しないように優しくしたほうが良いよ」
誰かにそう言われても当時のわたしには響かなかった。優しさや思い遣りの心が育っていなかったのだ。

今なら思う。
冷たい自分を責めていた、あの頃の自分に「後悔するくらい優しくなれたんだよ!もう自分を許してあげよう?」って言ってあげたい。


タイムマシンがあって、老いた祖母に優しく接し後悔なく過ごせていたら、この痛みからの成長も無かったことになる。今の自分を全否定することになる。
婆ちゃんは亡くなってからも、孫のわたしに成長の機会をくれたんだ。 

婆ちゃん、ありがとう。
婆ちゃん、ごめんね。

どっちも抱えて生きていこう。

7/17/2024, 2:41:28 PM

バキバキバキバキ!
轟音と同時に小刻みに家屋が揺れ、その振動が体にも伝わる。近くに雷が落ちたようだ。

それから幾度も雷光と轟音が鳴り響き、嫌な想像をしてしまう。空襲の爆撃もこれ程の爆音なのだろうか?雷が核爆弾だとしたら、もう吹き飛んでいるな、と。

怖い怖い。今は令和だし、わたしは安全な建物の中にいる。これはただの雷だ。大丈夫、大丈夫。
雷を怖がるのは、遠い昔に備わった体の記憶なのかもしれない。身を守るためにしっかりと作動してくれているのだろう。

そういえば…と、また別の妄想が広がる。

龍は雨天が好きらしい。落雷の轟音は龍の雄叫びなのかもしれない。大雨と落雷が大盤振る舞いの今夜は、再会した龍たちが喜びあっているのだろう。喜び過ぎて、雷がドッカンドッカンと地上に落ちるシステム?
わたしにとってはいい迷惑だけれど、関係ない。あちらにはあちらの世界があるのだから。

ムフムフと妄想をして、これを書き込んでいるうちに雷雲は遠くに流れて行ったようだ。