1/16/2024, 3:25:10 PM
冬の早朝。積もった雪の表面を朝日が照らしてキラキラと輝いているのが美しかった。早起きして得した気分。
12/25/2023, 3:28:40 AM
キラリと何かが光った気がして、それを手に取ってみる。やや錆びているそれは星型の飾りだった。
これは、あれか。クリスマスツリーのてっぺんに飾るやつか。
価値のあるものじゃ無さそうだと分かった途端、肩の力が抜ける。
さらに周辺を漁ってみると、たしかにかつてツリーの装飾に使われていたと思われるオーナメントや照明の飾りが出てきた。しかしどれももうボロボロで、とても使えるようなものでは無さそうだ。
かつてこの建物に住んでいたのは、おそらく子供のいる家庭だったのだろう。ツリー自体は見つからないが、その飾りの多さからツリーの大きさが想像できる。
在りし日の光景が浮かび上がり、何とも言い難い感情が湧いてくる。
——世界がこんな状況にならなかったら、今もクリスマスの夜を楽しみにしている子供たちが居たんだろうな。
「……サンタ、生きてんのかな」
ひとり佇む廃屋に、その言葉は虚しく響いた。
【滅亡した世界のイヴの夜】
12/8/2023, 3:26:17 PM
どうせフラれるって、分かってた。
それでも、やるしかないんだ。今日は卒業式だから。
今日しか、もう想いを伝えることができないから。
なけなしの勇気を振り絞って、卒業式終わりにそっと彼に声を掛けた。
誰もいない廊下。少し肌寒くて、上着の袖をぎゅっと引っ張りながら、口を開いた。
その間、こわくて彼の顔を見ることはできなかった。
けれど、
「―ありがとう、ごめんね」
そう優しい声色で告げた彼の表情が気になり、思わず顔を上げた。
今まで見たことない、儚げで慈しむような優しい微笑みを向けられていた。
途端に、涙が溢れて視界が滲む。うれしいのか、かなしいのか、もうわからない。
ただ、今日のことは何があっても絶対に忘れないと、そう思った。