途中書きです。すみません。
「子猫」
毒舌子猫。
私がそう心の中で呼んでいる友達の話にしようかな、と思ってます。
変えるかもしれませんが…
途中書きです。すみません。
「秋風」
学園祭、体育祭、修学旅行。
秋風が吹く頃にはこうしたイベントも過ぎ去って、少し寂しさを感じる。
今年ももうすぐで終わり。
時が経つのは早いなあ。
途中書きです。すみません。
初恋の話です。
「また会いましょう」
「また会いましょう」の「また」はない。
今度は二度と来ない。
あなたは私にとってライバルだった。
あなたも私も得意科目は理科でいつも塾のテストの点数を競う仲だった。
あなたは私にとって友達だった。
あなたと私とでは全然考え方が似ていないのになぜかいつも息ぴったりだった。
あなたは私にとって憧れだった。
あなたはいつも遠いところを見ているから、
私はその瞳に映りたくてずっと背中を追いかけていた。
塾の帰りは車で迎えが来る。
私の両親はいつも迎えに来るのが遅かった。皆が先に車で帰っていく中、あなただけは自転車だったから、私の両親が迎えに来るまで一緒に残って他愛のない話で盛り上がった。そして、迎えの車が来る気配を感じ取ると「じゃあな」と言って、ぱぁーと走って暗闇に溶け込んでいく。
私はこの時間がずっと続けばいいのに、といつも名残惜しく思っていた。
「スリル」
急遽、A組に転校生がやってくることになりました。
レオです。
よろしくお願いします。
ちょうどミロさんの隣が空いてるから、あの後ろの端の席を使って。
周りの人は助けてあげてくださいね。
隣の席の女子に会釈して座る。
転校生なんて人生で初めてだったから、とても緊張する。
…うまくやれるだろうか。
ねぇ、と声が聞こえて隣を見るといつの間にか僕はクラスメイトに囲まれていた。
どこから来たの?
転校生なんて珍しいよね。
前の学校はどんな感じだったの?
突然な質問攻めに驚いて答えられずに困惑していると、急に隣の女子がパンと大きく手を叩いた。
ひとまず今日の放課後は転校生歓迎会を開催しよーっ!
こういう集まりは苦手だ。
しかし、断るのも僕には難しい。
結局、周囲の「当然、来るよね?」という圧に押し負けて現在はカラオケにいる。
転校する前は友達ができないことを心配していたけど、そんな心配は不要だったみたいでクラスメイト全員仲が良く、むしろ僕の暗さが足手まといになるのでは、と見てて思った。
「転校生くん、次何歌うー?」
カラオケにあまり行ったことがないと言うと連チャンで歌を歌わせてくれたけど、もう喉が限界。
空になったからドリンク取りに行ってくる、と言って部屋の外へ出た。
メロンソーダのボタンを長押ししていると、
「疲れてない?大丈夫?」と声を掛けられた。
青いフレームのメガネが印象的な彼女は少し困ったように笑った。
「エイルだよ。分かんないことや困ってることがあったらいつでも呼んでね」
そう言って彼女はまた部屋へと戻っていった。
ドリンクを持って部屋に戻ろうと歩いていた時、左側から来る人に気づかなくて思い切り衝突し、その反動で思い切り飲み物をぶちまけてしまった。
メロンソーダでベタベタになった彼女は隣の席の、確かミロって名前…
「もうちゃんと前見てよねっ!私だったから良かったけどっ」
「ごめん、気づかなくて。制服、クリーニングに出すよ」
「あー大丈夫。家が近いからすぐ着替えられるよ」
「でも」
大丈夫、大丈夫と言って彼女は先に帰ってしまった。
初日から早々にやらかしてこれから大丈夫だろうか。
「飛べない翼」
今日も遠くのお空を眺める。
遥か彼方に小さく見える同級生。
僕はまだ飛べていなかった。
お昼の時間になって同級生たちが飛行技術の授業を終えて戻ってくる。
戻ってきた同級生の中にはコソコソと僕の不出来をからかうやつもいれば、自慢げにコツを教えてくるやつもいた。
僕はそれらの視線に耐えながら、ひとり小さくなってご飯を食べる。
飛行技術は基本中の基本だ。
狩りをするにも逃げるにも飛べなきゃ生きてはいけない。
100m飛行走で速い男子はどうやら女子にモテるらしい。
でも僕はそもそも飛行できないのでそういう話にもついていけない。
僕は同級生たちの中で明らかに浮いていた。
午後の授業は飛行技術の応用。
すなわち、狩猟採集訓練の授業である。
僕は当然、飛行技術の授業だ。
午前とは違って午後は先生が見てくれる。
翼を大きく広げて、あーうん、そうそう。
あー待って、慌てないで、落ち着いて。
できるよー頑張れー、行け!飛べ!
あぁー、と落胆のため息が漏れる。
僕はまたしても飛べなかった。
先生は僕に呆れたのか、他の生徒を見てくると言って飛んで行ってしまった。
僕は手持ち無沙汰に足の先を見つめた。
どうして僕は飛べないのだろう。
みんなと違って翼が小さいからだろうか。
飛ぶのが少し怖いからだろうか。
足の先を見つめていたら、だんだんと視界がぼやけてきた。
涙を堪らえようと上を向いた時、運悪く目があってしまった。
前に危機管理の授業で習った。
目は鋭く赤色で僕よりもはるかに大きな黒い鳥。僕を一口で飲み込めるような大きな口…
逃げなきゃ。僕は急いで走る。
でも、飛べない僕はすぐに追いつかれて追い詰められてしまった。
誰か誰か助けて…
近くには誰もいなかった。
僕が生き残る方法は1つ。
僕が翼を広げて飛べばいい。
でも飛べない。できっこない。
ずっと努力したってできなかったのだから、僕には無理だ。
でも無理でもやらなきゃ。
前に先生が言ってたのを思い出す。
自分自身ができないと思ったらできるわけがないって。
僕はやっと飛べなかった理由がわかった。
僕を1番信じてないのは僕だ。
僕を1番悪く言っているのも僕だ。
何回挑戦して失敗したとしても。
僕だけは飛べるって信じてあげなきゃ。
ついにその日、僕は飛ぶことができた。
自力で飛んで逃げてきた僕は先生と同級生たちに危険を知らせた。
先生や同級生たちは僕が飛んでいるのを見てとても驚いていたけど、僕にたくさん嬉しい言葉をくれた。
ありがとう。やればできるじゃん。
その、笑って悪かったな、…ごめん。
すごいね、皆のヒーローだよ。
その日から僕のあだ名は『翼』になった。