めぐみ

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3/22/2024, 3:27:24 PM

「バカみたい。」

あれから何年経ったのかな?
もう忘れかけていた。
秋になるとふと、あの日の事を
思い出さずには居られない。
何度も忘れようと、心に決めたのに
どうしても忘れられずに、五年の|月日《つきひ》が
流れてしまった。

鹿島先生
サイン会のお時間ですよ。

はい、分かりました
今、行きます。

そうわたしは
やっと初版本の「牡丹の香り」で
夢だった作家デビューをしたのでした。

そして今日はその初版本の発売日
待ちに待ったファンとのサイン会
少し緊張してるけど、人前に出るのは
やっぱり恥ずかし。
思いっきり深呼吸をしてから
サイン会ブースへ向かう。
大勢のファンからの歓声と初めて
わたしを見る驚きの声

書店の人達と担当出版社の挨拶が
終わりいよいよ、ファンと対面し
買って貰った本にサインを書き
ファン一人一人にメッセージを書き添える。

そして大学生ぐらいの女の子と目が合った。
その子の順番がやって来た。
その子はじっとわたしの顔を見て
眼からは涙が零れ落ちていた。
わたしは大丈夫ですかとその子に解きかけた。

その子はつぶやいた。
やっぱり
あの日のままの優しい声だ。

えっ?わたしはどこかで見た様な?
気のせい?あの子に似てるけど
あの時に見たあどけない感じと違い
少し大人びて見えた。

あの日のままの優しい声?えっ?
わたしの事を知ってるのですかと尋ねると

その子は
忘れてしまったのねと
答えた。

わたしは
そうサインをしなくっちゃと
その子の本を受け取り
サインを書いて、何かメッセージを
書きますけどと
尋ねたら。

その子は
それならこう書いて下さい。
突然消えたのを許して下さい。
春菜の事を今でも愛してます。

わたしはビックリしたのと同時に
今、別れた春菜ちゃんが
目の前に居る事に
頭の中は真っ白になり
涙が自然にぼろぼろと溢れ
春菜ちゃんの顔をまともに
見られなくなっていた。

震える手で
メッセージを書き添える。

ごめんね。
許して下さい。
バカみたいだけど
わたしは今でも春菜ちゃんの事は
忘れてはいません。
好きって言う気持ちも
あの日のままです。

ふと目を上げると
春菜ちゃんも泣いていた。
わたしわたしも
バカみたい
もっと素直になっていたら
貴女はわたしわたしの前からは
消えなかったよね。

ほんと
バカみたい。

めぐみより

3/21/2024, 12:49:56 PM

「二人ぼっち」

ずっと一人ぼっちで居たわたし
それに慣れていたのに、いつの間にか
隣には、貴女が居る様になり
知らず知らずのうちに、それが当たり前に
なり、
何をするにもいつも一緒に行動して、
同じ事を考え
同じ事で笑ったり泣いたりする様になり
あれ?
これってもう
わたしは一人ぼっちじゃぁないよね?
二人ぼっちだよね?

いつも居ると思って居たけど
ある日突然
貴女は居なくなった。
わたしが悪いのかな?
うん
違う!
わたしから離れて行ったんだ!
いつも居るのが当たり前だったのに
それが当たり前じゃなくなった日から
わたしは気付いてしまった。
一人ぼっちより
二人ぼっちの方が
楽しかったなってね。

悪いのはわたしなの?
それとも貴女?
それが運命だったの?

なら運命を変えられる方法は
あるの?
あるのなら
教えて下さい。

二人ぼっちに戻れる
方法を・・・?

今はわたしは
また、以前の一人ぼっちです。

めぐみより

3/20/2024, 11:46:00 AM

「夢が|醒《さ》める前に」

あれは夢だったのかな?
違う夢なんかじゃない!
だって貴女は現実にいたでしょう?
夢や幻なんかじゃない。
一緒に泣いたり笑ったり怒ったり
話したり。
毎日、貴女を感じていたし
とても夢なんかじゃない。

もしかして平行世界から
やって来たの?
なら、その平行世界から
この世界へどうしてやって来たの?

えっ?
わたしを確認しに来た?

どう言う事なの?

平行世界のわたしは
こちらの世界のわたしと
何処が違うの?
平行世界のわたしと
現実世界のわたしは
同じって?
じゃ〜平行世界の貴女は
わたしとどう言う関係なの?
お互い愛し合っていたと言うの?
ほんとに?
とても幸せに暮らしていたって♡
だから現実世界へ確認しに来たって!

だけど、現実世界では
わたしが突然
貴女の前から消えてしまった。

でも、今はこうして
会話をしてるよね。
わたしが突然、消える事のど
考えられないと思わない?

近い未来に
わたしが貴女の前から消えるって!
それを変える為に
この現実世界へやって来た。

そうなら
貴女はこの現実世界では
二人存在するよね。
それって良くないんじゃないの?

それは大丈夫って
よく分からないよ?
わたしの夢の中に居るから
現実世界の貴女とばったり合う
事は絶対、有り得ない。

ならさ
平行世界と同じするのは
良くないと思わないの?

それも大丈夫だって?
平行世界は色んな伏線がある中で
同じ事をやっても何処かで分離するから
現実世界とは別な世界って事?

じゃ〜夢の中のわたし達は
どうする気なの?

えっ?
わたしが貴女の前から消えない様に
軌道修正をするって?
そうすると、平行世界と現実世界が
一つのなり夢が幻でなくなり
現実世界へと変わる。

それを変えるには
夢が醒める前に
やらないと変えられない。
だから、今こうして
夢の中でわたしが消えない様に
する。
そうすると、二人は永遠に
結ばれる。

めぐみより




3/20/2024, 5:51:03 AM

平凡な毎日
ルーティンで始まる朝
慌ただしい街
そんな平凡な日常に
突然、貴方は現れたの
押し潰されそうになる
満員電車の中で、いつも
同じ時間に乗って来る
可愛い女子高生
遠目でわたしもあんな時が
合ったなって何時も観ていた。
ある日の朝に
その子が突然、わたしに
「おはようございます」と挨拶を
する。
わたしはびっくりして
その子にお返しに
「おはよう」って答えた。
その日から
土日を除く毎日
その子は挨拶をする様になった。
そして何気なくわたしの隣に
居る事が多くなり満員電車の中
押し潰されそうになりながら
その子と数十分、過ごす時間が
何となく楽しみになっていた。
ある日、わたしは体調を壊し
会社を休んだ、その翌日に
何時も電車に乗ると、あの子が
血相《けっそう》かいて、わたしの
傍に駆け寄って来て、
「おはようございます」の後に
涙目に
「もう会えないと思いました」と
言ってきた。
わたしは事情を話すと
わたしの体調を気にしながら
その子はわたしに告白をしてきた。
「好きです。1年生でこの電車に乗った時から
ずっと貴女の事を見てました。
彼氏さんはいるのですか?居ないのなら
わたしわたしと御付き合いして下さい!」
わたしは突然の出来事にびっくりして
「でも、わたし達は女の子同士だよ。」
その子言った。
「人を愛するのに性別は関係ないのです。」
わたしはその子の純粋無垢な眼差しに
心を奪われてしまい。
その子の愛を受け入れた。
二人の関係が今後どのようになったから
ご想像にお任せします。
ただ、初めてカラダを許し
キスをした時の
胸が高鳴る気持ちは
今もあの日のまま

時を経て
わたしはいつもの日常へ
戻り
あの熱い
胸が高鳴る思いを
胸に残し、忙しい日々を
暮らして居ます。
でも、その思いは
いつまでわたしの心の中に
残り続けるでしょう。

めぐみよりふ

3/17/2024, 1:38:45 PM

「泣かないよ。」

貴女はいつもわたしの前では

決して弱い自分を見せてくれなかったよね。

いつも笑顔で皆に優しく接してくれて

嫌な事が合っても、笑顔で笑いに飛ばして

見せてくれたよね。

そればかりか、わたしの事をいつも気遣って

くれて、励ましの言葉をくれたよね。

わたしはいつも言葉に甘えて居たけど

本当は知ってたよ。

貴女の弱い自分を隠していた事をね。

何で言ってくれなかったのかな?

わたしでは力不足だったのかな?

頼りないから?

そんなの悲しいよ。

一人で抱えないで、悲しい事があったら

わたしにも分けて下さい。

そうしたら、悲しみは半分になり

少しは気が楽になると思います。

|辛《つら》い時は一緒に泣こうよ

泣いてもいいじゃない?

わたしを信じて下さい。

わたしも貴女を信じます。

約束だよ。

お互い強くなったら

今度はねっ!

悲しい涙では

泣かないよ

今度は嬉し涙で一緒に

泣こうね。

泣いた後は、きっと笑顔に

なれるから。

めぐみより


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