アリス

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7/10/2023, 12:39:50 PM

『脳内』


目が覚めると、そこは知らない世界。
…なんてことはなく、ただの病院だった。

それにしても私、なんで病院にいるんだろう。
ぼんやりとしていた視界は段々と鮮明になり、
改めてやはりここは病院なのだと確信した。

そうして、側に人が居ることに気が付いた。
誰だろう、と思ったが私の側に居てくれる人間は限られている。

家族…両親と姉か、恋人のどちらかだ。

「………(ちかげ)」

そう声を発したつもりだったが声はでなかった。
どのくらい眠っていたのか皆目検討もつかない。
とにかく目が覚めたら喉がからからだし、体は重いしなんか痛いし。

隣に居るのはたぶん、恋人の千景だ。
眠っている気がするけど。
身体中が重くて動かない。いったい私は何をしたんだ。痛いなぁ…なんて呑気に考えながら動かそうと試行錯誤していると、千景がガバッと起きた。

「桜?!」

やっぱり千景だった。何故だか久しぶりに感じる千景の顔はやつれて、泣き跡がたくさんついていた。

私に何かあってからずっと泣いてたのかな。
そう思うと凄く申し訳なくなった。
自惚れとは思えないくらい、千景は私のことが好きだと思うから、心配になった。

とにかく看護師さんやらを呼んで欲しい。と思いながら千景を見ていると、伝わったのか、看護師さんを慌てて呼びに行った。

まだ身体が動かないので検査などは出来ないらしいが思考回路などはよく動いている。

すぐに私の家族も来てくれて、お姉ちゃんなんてぼろぼろ泣いてた。私そんなひどいのかな。今。

まっったく何があったか覚えていないから自分がどんな状況なのか理解できていなかった。
思考は正常なので説明が欲しい。

腕は動かないが首が動くことに気が付いたのでどうにか意志疎通が取れないか試してみた。

「…?なに?」

口パクで伝わらないかな。顔は痛くないし。

「………?
あ、もしかして状況を説明して欲しいの?」

さすが千景。普段から意志疎通してるだけある。
コクリと頷けたのかは分からないが、そのまま千景が話し始めたので頷けたのだろう。

「桜ね、………1ヶ月前に車に轢かれて」

1ヶ月前?!?!しかも轢かれたの?!
なんで顔が痛くないのか逆に不思議だ。

「道路に飛び出した子供助けようとして代わりに轢かれた。…説明して欲しいってことは覚えてないのかもしれないけど。その子は無事に生きてるよ。
ちなみに車の人も、子供のお母さんもお見舞いに来てくれてたよ。轢かれて飛ばされたからか頭を打っちゃったんだよね。…本当にもう、凄く心配したんだよ。」

ぼろぼろ涙を流す千景。
私の脳内はまるで事故に遭ったとは思えないほど能天気だけど、見た目は酷いのだろう。


お題:《目が覚めると》

7/9/2023, 3:09:16 PM

『モーニングルーティーン』


朝起きたら、スマホを見て連絡を確認する。
次に、顔を洗ってお水を飲みに行く。

私のかわいいかわいい犬にかまってから
お洋服に着替えて見た目を整えて歯を磨く。

これが私の当たり前。


お題:《私の当たり前》

7/8/2023, 6:34:35 PM

『下界』


下界を見ると点々と光が続いている。
人間の街だ。
いつも夜遅くまで明かりがついている。

人間はどうやら働くのが好きらしい。
…どこにも光がない場所もあるが。

このニホンという国のトーキョーというところは朝まで光が絶えたことがない。いつも目まぐるしく人間が動いている。そしてもちろん、朝も早い。

「…そんなに動いたら死ぬぞ」

私は天界から人間を見守る天使だ。
人間とやらは良く働きすぎだ。


お題:《街の明かり》

7/7/2023, 4:53:55 PM

『願い事』


七夕は、年に一度だけ織姫と彦星が会える日だ。
この2人の恋愛はいいなと思う。
お互いがお互いを好きで、一年待っている。

ここまでとはいかずとも、私にもそんな人ができたらいいな。

短冊にはなんて願い事を書こう。
お星さまへの願い事。
『いつか、私にも大切な人が出来ますように』
って書こうかな。


お題:《七夕》

7/6/2023, 1:04:09 PM

『道順』


小さな頃は活発だった。休み時間になれば外で遊んで、帰ってきてからも公園で遊んだ。

いつも周りには友達がいて、皆でかくれんぼやおにごっこ、泥団子作りとかしたっけ。


少し大きくなった。昔ほど外で遊ばなくなった代わりに、ゲームを一緒に友だちの家でやったり、オンラインゲームで夜中まで遊んだ。

私の世界が広がった瞬間だった。
顔を会わせる友だち以外に、ネットという場所があることに気が付いた私はネットでも友達が出来たものだ。


そして今。共通の趣味を持つ友人が出来た。
学校を卒業してからも関わりがある友達は少なくなる。今では一緒にお酒を飲むこともある。

なんだか少し大人になったなぁと思う瞬間だった。


お題:《友だちの思い出》

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