『自然のなかの』
星を見る。
星は季節によって見えるものが違う。
でも、綺麗なのは変わりない。
冬のオリオン座が好きだ。
星は自然。けれどそれが紡ぐ直角とも言える正座は素敵だと思う。
お題:《星空》
『人類誕生のその前』
本当の歴史は神様だけが知っている。
私はそう信じている。
私たちが習う歴史はごく浅いもので、本当は
氷河期の時代よりずっと前、
恐竜の時代よりもずっと前、
地球に、生命の誕生が確認できたと言われる前。
そんな前から、人間は生活し、そして一度は滅びたのだと言う仮説。
だから誰も知らない。分からない。全ては地球に埋まった。そんな仮説。
「面白いと思わない?」
「…まあ、よくある話だね」
「そうだけどそれが良いんじゃない!少なからずそう思う人が一定数いるってことなんだから」
「確かに」
なんて話を幼馴染みとするなんでもない日常。
神様だけが知っているはずの、本当の歴史。
そのときも、こんな平和な日があったのかな。
お題《神様だけが知っている》
『道』
果てしなく続く道。
この先に明確なゴールはあるのだろうか。
…きっとない。
分からないまま、ただ進んでいく。
真っ直ぐな道じゃないその道を、
何回も分かれ道に遭遇してたまに
こっちでよかったのか不安になる。
いつかこの道の突き当たりがあったとき、悔いが無いようにいられているといい。
お題:《この道の先に》
『かんかん』
カンカン照りのお日様。
麦わら帽子を被った彼女は暑そうにしている。
「やっぱ焼けちゃいそうだなぁ。」
「日焼け止めは?」
「もちろん塗ったよ~。でも貫通してそう。」
「あー、してそう。
最近本当暑いよね」
「暑すぎるよ~。一回建物の中に避難しよ?」
「そうだね。ついでに冷たいもの食べよ」
なぜわざわざ暑い日に外に出てまでいるのかと言うと、これからアイドルのライブがあるからだ。
少し遠い現場なので早くに出なければ間に合わない。けど朝からでるほどでもない。結果的にお昼過ぎに出たのだけど駅までの道が暑い。
本当、最近の日差しは強い。
お題:《日差し》
『季節』
医者から言われた。
余命があと半年だってこと。
私の病気は凄く稀で、治らないんだって。
こんな体、いらないよ。
最初から生きられるなんて思ってなかった。
だけど、やっぱり少し寂しい。
羨ましかった学校生活も、いつしかどうでもよくなっていた。皆みたいになりたいって思ったこともあったけど、今では死ぬのを待つだけで、私は憧れも、好きなものも全部無くなったようだ。
病院での暇潰しにも飽きて、ただ、ぼーっと窓の外を見ているだけのことが増えた。
今は春。病院の外に植えてある桜の木が、綺麗に花をつけている。
少し前まで冬だった。窓のふちにまで雪が積もっていた。少しだけ元気な子が、外で雪だるまをつくって遊んでいたな。
その前の秋は、紅葉が見えて綺麗だった。誰かへの差し入れがいつもより暖かい色だった。ぶどうやりんごにさつまいも。
その前の夏は、外が暑そうだった。日差しが強かったから、私はずっとカーテンを閉められていてあんまり覚えていない。でも木々は緑色で空は凄く綺麗な晴天だった。
今は春。桜が見える。
小鳥のさえずりが聞こえる。
窓の外の景色は毎日移り変わる。
私が次、冬を迎えられることはないのだろう。
また雪を見たかった。
お題:《窓越しに見えるのは》