『もしも』
運命の赤い糸。それは、将来結ばれるべきお相手へ繋がる見えない赤い糸。
いわゆる運命の相手ってやつだ。
私の小指にも、運命の赤い糸ってあるのかしら、なんて思ったりすることもある。
そんなのただの迷信だって分かりながらも、本当はそんな糸があればいいのにと思う。
そう考えるわけはつい先日、4年付き合っていた彼と別れたからでもある。理由は彼の浮気。私には魅力がなかったのかも。
もし運命の赤い糸ってやつが見えたら、こんな苦しい思いはしなくてすむんじゃないかなと思う。
なんて思いながらベッドにダイブする。
その晩は赤い糸について考えていたからか、運命の人に出会って恋に落ちた夢で終わった。
お題:《赤い糸》
『夏といえば』
空には大きな入道雲。
入道雲を見るたび、夏が来たと思う。
どこかのお話では竜の巣があるらしい。
1度は行ってみたい。竜の巣に。
お題:《入道雲》
『夏のこと』
夏は寂しい気がする。
こんなにも蒸し暑くて日差しは輝き、青春を謳歌する学生も多い。
なのになぜだか、どこか寂しく感じる。
夏を題材にした作品は、現実の夏ほど蒸し暑くなさそうに見えるからだろうか。
ほどよく風が吹き、風鈴が鳴る。
扇風機の前で宇宙人をして、縁側でスイカを食べる。食卓に並ぶ色鮮やかで綺麗なそうめん。
そして夏も、別れの季節。
それはお盆があるからだろうか。
今もお盆の迎え火と送り火をしっかりやっている人たちは居るのだろうか。
なんてことを考えたりする。
七夕で、織姫様と彦星様は今年は会えるのかしら、なんてことも。
がやがやとしたお祭りも花火大会も、
夏ならではだな。
夏は不思議だ。そして、きっと他人事だ。
お題:《夏》
『旅』
どこでもいい。どこでもいい。
早く逃げ出したかった。
とにかく、ここではないどこかへ。
早く、1秒でも早く、この場から去りたかった。
ただひたすらに働き続けた会社。
人間関係はギスギスで、仕事量は過酷。
それでもなんとかやってきた。
でももう限界だった。死んでしまいたかった。
だけど死んでいないのは、私に勇気がないこと。
それから、自殺をしようとした瞬間に止めてくれた誰かの存在が脳裏に居ること。
私は今までの貯金をおろして、旅に出ることにした。貯金はたくさんあった。ごはんもあまり食べずに家にも帰らなかったからか、水道光熱費すら安く、趣味という趣味もないから何にも使わなかったただの金がある。
気ままに一人旅をしよう。
私が、いた会社を辞めたのにはちゃんと理由があった。いや、辞めたのではなく、大幅に社員が切られただけだ。
もうこの際だ。と再就職先を探す気も起きないまま
今、青森行きの列車に乗っている。
お題:《ここではないどこか》
『別』
君と最後に会ったのは、爽やかに風が吹く涼しい夏だった。
笑顔が素敵で、いつも頑張っている君はとても眩しかった。
君は今、どこで何をしているんだろう。
笑ってるかな。ちゃんと食べてるのかな。
そもそも生きてるのかな。
連絡先も分からない。
もう会うこともないだろうその人は、
私だけが、大切な人だった。
お題:《君と最後に会った日》