『海』
蝉が煩く鳴き、雲は白く、青空が広がっていた
あの日、君は突然姿を消した。
街の人に聞いても誰も見ていないし覚えていなかった。とても奇妙だったし、君が居た痕跡すら無くてまるでまやかしに掛かっていたのかと思うほどで。
でも確かに君は居たし、
僕はこの手で君の手を引いた。
情報もないまま1年が過ぎた。
去年と同じように蝉が煩く鳴き、雲は白く、青空が広がっていた。
僕は君を探す気分転換に海へ来ていた。
目の前にはとてもとても綺麗な青い海。
その砂浜に、ただ一人の少女が佇んでいた。
君だ、と直感がそう言った。
僕は必死になって砂を蹴った。
やっと見つけた。
「レイ!!!!」
僕の声に反応して君が振り向く。
そして、ふんわりと笑った。
「…………久しぶりだね」
第一声がそれだった。久しぶりだね、じゃないよ。こっちがどれだけ心配したか。もう二度と会えないかと思った。言いたいことを全部のみ込んで、
「うん、久しぶり」
と返した。
そして聞きたかったことを聞いた。
「街の人たち、君が消えた次の日から君そのものの記憶がなかった。君はいったい何者なの?どうして僕だけが覚えてるの?」
君は少し困った風に笑って
「…んー、海の人間?だからかな。記憶が操れるの。君が私のことを覚えてるのは、私が忘れて欲しくなかっただけ。
…まぁ、だからこそ君には辛い思いをさせたかもしれないけど」
「ほんとだよ。1年も探したんだよ。
居なくなるにしても突然、なんもなしに居なくならないでよ」
「次からは気を付ける。」
「そうして。ところで何してたの?今まで」
「海の世界に帰ってた。」
お題:《1年前》
『決められない』
好きな本と聞いて思い浮かべるのは棚にたくさん並ぶ小説たちだ。ファンタジーから猟奇殺人まで多種多様な小説が並ぶ私の本棚はいつ見ても幸せな気持ちになる。
そんな私の一番好きな本は決められない。
言うならたくさんある。
もちろん、漫画も大好きである。
私の部屋は漫画と小説だけで4つも本棚がある。
床抜けそう。
お題:《好きな本》
『気分』
じめじめとした季節。
前にも書いたように、そういう日は心が落ち込む。
たぶん、空があいまいだと気分もあいまいになるんじゃないかと思う。
やる気がないこともないし、あるわけでもない。
そんな日は、頑張らないでぐだーっと一日を過ごしたらなんとかなるんじゃないかっていつも思って過ごしている。
実際なんとかなってる。
お題:《あいまいな空》
『ひねくれてる』
知ってた?あじさいって
酸性の土だと青色に咲いて、
アルカリ性の土だと赤色に咲くんだって。
ひねくれものだよねぇ~。
なんちゃって。
あじさいを見ると、梅雨が来たなぁって凄く思います。
お題:《あじさい》
『子供の嫌いな野菜ランキング1位』
私は子供の頃から大っっ嫌いなものがある。
それは『ピーマン』だ。
あのなんとも言えない青臭さ、何よりあの耐え難い苦さ。マジで嫌い。
子供に嫌われるランキング一位の野菜だが、
もれなく大人に嫌われるランキング一位の野菜にもランクインしていて欲しいくらいだ。
青椒肉絲、ピーマンの肉詰め、夏野菜カレーなどなど、色んな調理法で何度か克服を試みたが
どれも全滅。ピーマンが全ての料理の味を台無しにしやがる始末だ。
ピーマンが好きな人間に話を聞くと、別に言うほど苦いわけでも青臭いわけでもないらしい。
なぜだ。なぜなのだ。
そもそもなぜ私はピーマンが嫌いなのか。
もはや私がピーマンに嫌われているまであるのではないか。
ちなみに好きなものは鮭の塩焼きだ。
原点にして頂点とはこのこと。マジで美味しい。
お題:《好き嫌い》