other me

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9/29/2024, 10:09:45 AM

静寂に包まれた部屋


蝉が今年の出番を終えて静かになった頃。

これからは鳥の鳴き声で起きたいと思ったら、願いはカラスが叶えてくれた。
おまけに鳩まで加わって合唱だ。

ありがとう。

思ってたのと違うけど。


end

9/28/2024, 11:25:26 AM

別れ際に


「今度はうまくいくと思ったんだけど」
「毎度おなじみ、ってやつね」
突如降ってきた雨の中、ハンドルを握る幼なじみの彼女。
機嫌の悪い私は助手席のシートを倒して目を瞑ったままだ。

「なにそれ、ひどいな」
「フフッ。ところで、なんでフラれたのよ」
「会う約束してた日に、やっぱごめん、他に気になる子がいるから会えないってさ」
「本命がいたんだ。で?どこで知り合ったの?」
「ネット」 
「で?いつから付き合ってたの?カッコいい?」
「1カ月くらい前かな、顔はわからない、会ったことないもん。でもこの人がヒーローって思ったの、、、って笑いすぎ!!」

「ヒーローて、、。じゃあ会ったことないヒーローに会う前にフラれたんだ?よかったよ、あんたの顔見てから別れ際に、やっぱごめんって言われるよりはさ」
「どういう意味よ!あーぁ、彼はダークヒーローだったのか、、、って笑い過ぎだっつーの」
「ダークヒーローにはキャットウーマンが付き物ってね」
「何うまいこと言ってんの、笑えないから」

「ま、傷心のあんたを励ますために、こうやってドライブしてんだから。綺麗な夜景でも見せてあげるよ。いや、いい友達だわ私」
「ハイハイ、ありがとね」

通り雨らしく、雨はすぐに止んだ。車が止まる。

「この辺かな。さぁ、ご覧あれ」
機嫌は直ってないが、夜景は見たい。倒してたシートを起こした。

「う、わぁ‼️、、、真っ暗だな」
「真っ暗だね」
「夜景はよ?ここどこよ?」
「どっかの山ん中だね」

「迷ったか」
「それっぽい」

「最悪だ‼️」
「最悪だ‼️」

思いきり笑ったおかげで失恋の痛みはどこかへ飛んでしまった。

私のヒーロー探しはまだまだ続く。


end

9/27/2024, 11:04:18 AM

通り雨


お題に私の好きな俳優さんの名前が入ってます。

もう随分昔のことですが、私の住む街で彼が出演するドラマのロケが行われまして。

見に行きましたよ、仕事そっちのけで。えぇ、当時からダメ人間ですよ。

いつもは画面越しに見る彼が目の前にいるなんて信じられなかったな。間近で見る彼はもっと素敵でしたよ。フフッ。

同じシーンを何度も何度も撮り直し、こんなに時間をかけるのかと。演者もスタッフも大変なお仕事だなと思ったわけです。

私も頑張らないとね。
新人ですから笑。
覚えなきゃならないことがあり過ぎて、頭がオーバーヒートしそうです。

通り雨に打たれて、クールダウンしたいですね。

それではまた。

end

9/26/2024, 10:52:08 AM




照りつく日差し。

容易に秋を感じさせてはもらえないようで。

こんな日は無い頭絞ったところで何も出てきやしません。

と言うことで、
また明晩お会いしましょう。

かしこend

9/25/2024, 1:25:27 PM

窓から見える景色


小さな頃からいつも一緒。
喧嘩しても笑う時も泣く時も、じゃれ合う時も当然のように隣にいる。

笑顔が似てる二人は
描く絵も話す言葉も、書く文章まで似ている。
二人で一人なのかと見紛うほどに。

「幼なじみ」と言うらしい。

5歳の時に、二人の家のすぐそばに引っ越してきた私。
私達はすぐに仲良くなった。

三人で遊ぶ時、私は二人の間にいる。
けれどいつしか気づいてしまった。
私を通りすぎるあの子の視線に。
私を通りすぎる彼の視線に。
そんな二人が嫌いになった。

誰が聞いても
「そんなんじゃない」
「ライバルみたいなもの」
口を揃えて言う二人。


けれど、そこには誰も入れないってわかってるんでしょう?
いいかげんにしてよ。
いっそのこと、そういう関係になればいいのに。
公言してくれたらいいのに。
「恋人」だと。

幼なじみなんて一緒にいたいだけの口実でしょう。

彼を好きな私を気づかう彼女とそれに気づかないふりをする彼。

二人が嫌いなんじゃない。
二人の思いやりに甘えて、
間に居座る自分が嫌いなんだ。

想ったところでどうせ報われない。終わりにしたいのに。

カーテンを開ける。
笑ってじゃれ合う二人の姿。
それが私の部屋の窓から見える風景だ。

end

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