窓から見える景色
小さな頃からいつも一緒。
喧嘩しても笑う時も泣く時も、じゃれ合う時も当然のように隣にいる。
笑顔が似てる二人は
描く絵も話す言葉も、書く文章まで似ている。
二人で一人なのかと見紛うほどに。
「幼なじみ」と言うらしい。
5歳の時に、二人の家のすぐそばに引っ越してきた私。
私達はすぐに仲良くなった。
三人で遊ぶ時、私は二人の間にいる。
けれどいつしか気づいてしまった。
私を通りすぎるあの子の視線に。
私を通りすぎる彼の視線に。
そんな二人が嫌いになった。
誰が聞いても
「そんなんじゃない」
「ライバルみたいなもの」
口を揃えて言う二人。
けれど、そこには誰も入れないってわかってるんでしょう?
いいかげんにしてよ。
いっそのこと、そういう関係になればいいのに。
公言してくれたらいいのに。
「恋人」だと。
幼なじみなんて一緒にいたいだけの口実でしょう。
彼を好きな私を気づかう彼女とそれに気づかないふりをする彼。
二人が嫌いなんじゃない。
二人の思いやりに甘えて、
間に居座る自分が嫌いなんだ。
想ったところでどうせ報われない。終わりにしたいのに。
カーテンを開ける。
笑ってじゃれ合う二人の姿。
それが私の部屋の窓から見える風景だ。
end
9/25/2024, 1:25:27 PM