しろ

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4/21/2025, 1:07:19 PM

ささやき

俺のこと好きか?
彼は何度も確認する。

不安なのだろう。

彼女の答えは決まっている。

好きだよ。
(好きだから、側にいるんじゃない)

彼女が何度そう答えても、彼はものすごく不安なのだ。

強くあたってしまったり、
そして、その事にものすごく後悔したり、の繰り返し

でも、彼女は知っている。
彼の本当の心の優しさを。

かつて、彼女も、めちゃくちゃ彼にあたっていた時期があった。

彼女は自由でいたかったのだ。
だけど、彼女はどこかで、彼に守られている自分が好きだったし、

どんなに辛くあたっても、全てを曝け出しても、

魂同士でぶつかりあって、
傷つけあっても、
最後には、
沈黙の後
彼は彼女をきつく抱擁する

束縛なのかもしれない
だけど、
彼女はそれでいいと思った

心から愛する人だから、
全てを受け入れよう

どんなことがあっても、
そばにいよう、と決めたのだ

彼女は分からなかったが、
きっと、彼をずっと探してたんだ、と気付いたからだ

きっとこの先も、眠りの浅い彼に、
まだ完全に目覚めてない頃に

ささやくように、同じ問いをされ、同じ答えを返すのであろう



4/20/2025, 1:59:18 PM

星明かり

悩んでも悩んでも、
取り返しがつつかない問題。
解決はできないし、
逃げ場のない心境にあったとき、

苦しくなって、
ふと空を見上げたら、星が出ていた

ああ、私は生かされてるんだ、
と思った

生かされてるなら、
この命、もう少し、生きてても許されるのだろうか、と考えた

星は何も語らない。
でも、苦しくなったら空を見上げて、星が出てないか探すようにしてる。

曇り空の中にでも、微かな光を見つけた時、孤独な心に一寸の光がさす。

与えられた命
生かされてる命
粗末にはしてはいけない

たとえ、どんなに苦しかろうが、
逃げ場がなかろうが、
わたしは生きているんだ

いつか、
そう、いつかは
きっと、少しの理解が得られ、
辛かったね、
と思ってもらえたら、

なんて、図々しいかもしれないけれど、
だけど、
そんな小さな望みが
今を支えてる

一寸先はわからないから、
途方に暮れた時、
空を見上げる

どこかで、星が、優しい光を放っている

4/19/2025, 1:41:57 PM

影絵

一つ、二つ、、、と影を数えて空に送る。
「ちいちゃんの影送り」だったかな。
それで覚えた影送りを
子供達としたことがある。
小さな手を繋いで、数を数え、
青空に浮かび上がった影を見て、子供達と喜んだ。
ほんの数年前の出来事なのに、
遠い遠い昔のように感じる。

4/18/2025, 12:40:43 PM

物語のはじまり

映画のどのシーンが好きかと聞かれたら、始まりのシーンだ

始まりのシーンで見たい映画かどうかが、大抵決まる

4/17/2025, 12:50:15 PM

静かな情熱

彼はとても静かな人間だ
はしゃいだり、大笑いしたりすることはたまにしかしないし、
自分の欲しいものや、なりたいものを聞かれても、
まだ決められないよ、と言う

だけど、静かな情熱を彼女は垣間見る瞬間があった

彼が絶対に大切にしてるもの、
それが壊されかけた時、
彼は言葉を放った

それまでずっと黙っていたが

一言、
〇〇ってクズだね、と

確かに〇〇はクズに落ちてしまっていた

〇〇は気づいてなかったが、
彼から絶対的な信頼と愛情に似たものをもらっていた

クズ と言われて、鳥ついてた悪魔が〇〇から去って行った瞬間だった

彼の静かな情熱は
本来あるべき姿に正す
悪魔にも打ち勝つ、強い力があった

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