遠くの声
何かに突き動かされるように、遠くから指示される、
見知らぬものの指令に導かれた
暗い闇の世界
なぜだか、一寸の光があるようで、その先が見たくなった
でも遠くの声はいつか聞こえなくなった
現実に戻ってきた
あの遠くの声はなんだったのだろうか
自分の中に潜む悪魔が呼び寄せたのか
その瞬間、確かに共鳴しているかのように思えた
でもそれは嘘の世界
現実ではない
悪魔は消えた
春恋
私は春が嫌い。
春にはいい思い出があまりない。
恋がしたいなんて思わない。
ただ、平穏に暮らしたい。
誰にも干渉されず。
働き、ご飯を作り、食べる
よく眠る
それだけでいい
それがいい
未来図
ずっとこのまま変わらないのが予想されるのなら、
少しの勇気を振り絞って
未来図を書き換えてみたい
ひとひら
ひとひらの花びらが舞い降りてきた
彼女は、上を見上げた
桜が咲いていたことに気づいた瞬間だった
部屋に閉じ籠り、
布団の中でうずくまり、
夜が来るのをずっと待っていた
朝が来なければいいとずっと願っていた
ある日、外に出なければいけない用事ができて
重い体を起こして、外に出た
ひとひらの花びらがはらりと落ちて来た
春が来て、桜が咲いていることに気がついた
君と僕
僕は心配が過ぎて、君を追い詰めてしまった
君は僕から離れて行ってしまう気がするんだ
素直に心配なんだと、伝えることができない
こんなにも愛してるし
話を聞いてくれるのも君しかいないのに
僕は問い詰めることがやめられない
君のどんな些細なことでも知っておきたいし
いつも僕のことだけを思っていて欲しい
なのに、僕が君を苦しめたから
君は自由になりたいと言った
君は壊れてしまった
でも、君は戻ってきた
君は僕が思っていたような人ではないし、
僕も君が思っていたような人ではないかもしれない
だけど、君は僕がいいという
僕には理解できない
けれど、君が側にいる限り、
僕の話し相手は、君しかいないんだと悟った