ささやき
俺のこと好きか?
彼は何度も確認する。
不安なのだろう。
彼女の答えは決まっている。
好きだよ。
(好きだから、側にいるんじゃない)
彼女が何度そう答えても、彼はものすごく不安なのだ。
強くあたってしまったり、
そして、その事にものすごく後悔したり、の繰り返し
でも、彼女は知っている。
彼の本当の心の優しさを。
かつて、彼女も、めちゃくちゃ彼にあたっていた時期があった。
彼女は自由でいたかったのだ。
だけど、彼女はどこかで、彼に守られている自分が好きだったし、
どんなに辛くあたっても、全てを曝け出しても、
魂同士でぶつかりあって、
傷つけあっても、
最後には、
沈黙の後
彼は彼女をきつく抱擁する
束縛なのかもしれない
だけど、
彼女はそれでいいと思った
心から愛する人だから、
全てを受け入れよう
どんなことがあっても、
そばにいよう、と決めたのだ
彼女は分からなかったが、
きっと、彼をずっと探してたんだ、と気付いたからだ
きっとこの先も、眠りの浅い彼に、
まだ完全に目覚めてない頃に
ささやくように、同じ問いをされ、同じ答えを返すのであろう
4/21/2025, 1:07:19 PM