元気かな
小学校の頃 凄く仲の良かったあの子
突然両親の仕事の転勤で引っ越して
行ったあの子
手紙を書いてみようと ふと思い立ったのは小学生の頃のあの子の笑顔が不意に
脳裏に蘇ったから
元気かなと気になって便箋を取り出し
お元気ですか?と問いかける文章から
手紙を書き始めた。....
遠い約束
遠い 遠い あの日の約束を
君は、もう忘れてしまっただろうか?
たとえ君が忘れてしまっても.....
あの日の約束が今も僕の胸の中で
いつまでも いつまでも 輝いている。
フラワー
皆が彼女に花束を渡す中 農家の出である
俺は、花を買うのを忘れ焦って咄嗟に
出したのが新聞紙で大きく巻いた白い
大きな房を持ったカリフラワーだった。
周りが目を点にする中 俺は、早口で
「結婚おめでとう幸せにな!」とやり切った感を出して彼女の手にその花束ならぬ
カリフラワー束を握らせて何事も無く席に
着いて何事も無い風に装う事が今
この場に居る俺に出来る精一杯の事だった
新しい地図
新しい地図と古い地図を見比べて見る。
そうするとあの大通りの田んぼ道が
無くなって広い駐車場になり大型施設になっていたり 長年開いていた老舗のお店が
無くなって流行りのカフェになっていたり
古い物は、懐かしさや郷愁を新しい物は
驚きと好奇心を与えてくれるものなんだなあとしみじみ思った。
好きだよ
「好きだよ!」そう何度も僕が自分の
想いを口にしても君は、困った様に
笑うだけだった。
どうせ自分は、使い捨て 血に汚れた駒でしかない
そう自分を揶揄する君が僕には酷く悲しかった。
こんな国に生まれなければ君は、自分の事を卑下せず 花の様な笑顔を浮かべて
幸せに暮らせただろうか....
身分も何も無い国に生まれていればもっと
僕達は、胸襟を開いてお互いを知って
分かり合えただろうか.....
いつも一番に戦場を駆け抜け特攻する君
敵に剣を掲げて打ち合い飛び込む様は
血飛沫が舞い鮮血の輪の中で君が踊る様は
僕は、何よりも美しいと思うんだ....
嗚呼 やっぱり好きだなあ..... 君に
守られる背中越しにいつも思う事
そうして僕は、自分の気持ちを再確認して
懲りずに君を困らせるだけと分かっていながら今日も変わらず滑稽に君に
「好きだよ!」と言い続けるのだった。....