星に願って
死んだ人は、星になるんだよ
だから何も淋しくなんか無いんだよ
夜空を見上げて 一際輝いている
一番星が見えたら 貴方に会いに来たと
思って夜空を見上げてね
そんな風に笑って空に旅立って行った君
冬の冷たい夜空に輝く一等星が
僕の頭上に輝いていた。
願わくば 夜空で自分の輝きを主張する
一番星が 夜が続く限り
いつまでも輝いています様に
そんな願いを込めて 僕は、夜空の
星を見つめていた。
君の背中
店を切り盛りする 父と母の背中を見て
育った僕 幼いながらに見た両親の
背中は、矍鑠(かくしゃく)として
立派だった 包丁を入れる時の腰の
入った姿勢 大鍋を混ぜる時の屈んだ背中
そんな背中に真心と意地を感じ
格好良いなあと思っていた。
十数年後 今の私は、あの頃の両親と
同じ背中になっているだろうか....
そんな事を思いながら今日も私は、
包丁を握るのだった。....
遠く....
心を 遠く 遠くに押しやって
貝のように閉じて 嵐が過ぎ去るのを
じっと待つ
また今日もやり過ごせた 明日も私は、
私を遠くに置き去りにして やり過ごすんだ。 そうして私は、私の心を守って行く
元気な自分を見せる為に 心配を掛け無い様にするために 私は、私を置いていく
そうしてわたしは、自分を守り
大切な人達を守って行く
でもその時 遠くに居る私が
寂し気な表情を浮かべていた事に
私は、気付けなかった
遠くに居る私は、必死に手を伸ばして
SOSを送って居たんだ
でも私は、それに気付かない
気付けない そうしないと私は、私を
守れないから だから私は、
遠くの私の助けを無視して
私の心を置き去りにして 誤魔化して
私を守って居るんだ
だけどきっと守ると言う言葉も結局は、
騙し騙し そうやって私は、私を理由に
逃げるしか無いのだ
それしか方法が見つからないのだ
嗚呼 自分で自分を守る方法がそれしか
無いのだ.....
だけれど本当は、遠くに居る私も
私自身も....きっと本当は、誰かに見つけて
欲しいのだ.... 助けてと言える誰かが
欲しいのだ.....。
誰も知らない秘密
誰も知らない秘密 俺だけが知ってしまった秘密 この秘密をいつまで持ち続けられるだろう 隠し通す事が出来るだろう
一層の事誰か他の人も知ってしまえば
俺自身の気持ちも楽なのに
だけれど無闇矢鱈に誰かに話す事も
躊躇われる この中にその秘密を知る
要因の人間がいるかもしれないのだ
誰が知っているだろう この屋敷の
床下に死体が隠されている事を
そうしてそれを運悪く見つけてしまった俺は これから一生 作り笑顔を貼り付けて
この屋敷の人間と過ごさなければならない
そうしなければ 次に床下に永遠の眠りに
付く事になるのは、俺なのだから....
この秘密を俺は、墓場まで持って行く
この秘密を誰かに知られたならば
今すぐ眠らされ
この秘密を隠し通せたのならば
何十年後にベットの上で眠れる
たったそれだけの違いが俺には、
差別化された違いの様に見え
その違いが俺に見えない仮面を付けさせ
そうして生きる事を選択させた。
静かな夜明け
しんしんと冷たい冬の風が肌を刺す
今日の気温も一桁代 そんなまだ暗い
だけれども確実に夜明けに向かっている
空を見上げて 駅のホームで朝の電車を
待っている。
朝の最初の電車は、まだ人も疎らで
静かな清涼な空気の中朝の冬の空気から
閉じ込めて守る様に暖房の暖かい暖気が
体を温める。
会社に向かうこの道中が私が唯一
一人になれる時間
冬の静かな夜明けの中で私の心も
太陽が昇る夜明けを待つ様に徐々に
清浄になって行く。