Saco

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8/10/2024, 10:33:40 PM

終点

気が付けば、知らない駅に着いていた。
どうやら 電車の中で寝過ごしてしまったらしい

終点の駅まで着いてしまった私は
途方に暮れる。

いや でも此処でじっとしていても
仕方が無い
私は、覚悟を決めて ええい!ままよと
思い切って 風の向くまま
気の向くまま 体を立ち上がらせて
終点の駅に降りてみる。


降りてみると 私が住んでいる町とは、
趣が違い 朴訥とした古風な家が
疎らに並んでいる。

人は、少ないが 果たして今夜泊まれる所はあるだろうか 所持金が足りれば良いが.... 幸い明日は、仕事は休みだ
独身の身の上故 自宅には、帰りを
待ってくれる人も居ない為
心配を掛ける事も無い

私は、駅から右側の道に行くか
左側の道に行くか 一瞬迷い
逡巡し 建物が疎らに建っている 
右側の道を行く事にした。
地元の人に話が聞ければ良いが.....

私は、右側の道を歩き始めた。
果たしてこの選択が 孤独な男に
どんな出会いを齎してくれるのか
今の男には、全く何も分からないのだった....。

8/9/2024, 10:12:42 PM

上手くいかなくたっていい

失敗しても、それが積み重なって

成功に繋がるなら無駄じゃないって
思うんだ。

君は、失敗したら恥を掻く
皆を落胆させるなんて言うけど

そんな事ないよ!皆ちゃんと貴方の
頑張りを見ていたよ

そんな人達が貴方が失敗した位で
落胆するわけない

だから さぁ行っておいで!
躊躇う君の背中を押し 私は
君の身体をステージへと押し出した。

8/8/2024, 9:20:02 PM

蝶よ花よ

「お嬢様 お待ちください」そう声を掛け
私は、お嬢様を追いかける。

あの頃のお嬢様は、何にでも興味を持ち
好奇心旺盛で、じっとして居られず
野原や花畑を掛け回り
綺麗な服を良く泥んこにしていた。

気に入らない事があると良く癇癪を起こし
手足をジタバタとさせ 我が儘を言っては、周りを困らせた。

しかし 喜んでくれると花の様な笑顔を見せてくれ 私達もその笑顔にほだされ
ついつい甘やかしてしまう....

こうして、幼少時に蝶よ花よと大切に
大切に育てられた お嬢様は、
成人すると 我が儘は、どこへやら
すっかりなりを潜め 立派なレディーへと
成長を遂げた。

こうして 貴族の子息の元へ嫁いで行った
私達のお嬢様は、一男一女を設け
妻として、夫を支え 立派に家を盛り立てた 大人になったお嬢様だが
あの花の様な笑顔だけは 幼少の時から
変わる事無く 私達や周りの人達の
心を何時までも 何時までも和ませている。

8/7/2024, 11:43:04 AM

最初から決まってた

最初から決まってた 分かっていた事だった。
僕が、振られるのは、ずっと前から分かっていた事だった。

君が僕じゃ無くあいつを常に見ている事には 気付いていた。

それでも、僕は、この想いを君に
告白した。
返事は、思った通りの....
「ごめんなさい....」だった。

こうして、僕の恋は、呆気なく
終わってしまった。
不思議と告白した事に後悔は無い
悲しく無いと言えば嘘になるが
しかし胸の中にもやもやも溜まらず
寧ろ清々しくすっきりとした気持ちだった。

だって、あいつが良い奴だって
親友の僕は、知っている。
ちょっと調子に乗ってしまう所は、
あるけれど 優しく気の良い奴だって
僕は、知っている。

それに 僕は、あいつの事を話す
あの子の笑顔が一番好きだと
失恋してから、気づいてしまった。
だから 僕は、この結果に心から満足
していた。


数日後 あいつとあの子が 仲良く
手を繋いで歩いている姿を見掛ける。

僕は、「おはよう!お二人さん!」と
親友の肩に腕を伸ばし親友の肩を組む
二人は、僕に気づいて
「「おはよう!」」と声を揃えて
挨拶してくれた。

この日を境に僕達三人の友情が
育まれる事になるとは、
さすがの僕も予想外だった。....。

8/7/2024, 12:09:32 AM

太陽

太陽を追いかける様に咲く向日葵
向日葵を見つめて輝く太陽
まるで、お互い恋をしてるみたいだ。

地上と空で分かたれた二人
太陽は、向日葵が咲くのを毎年 毎年
待っている。

向日葵は、種を植えられ芽が出て
花が咲いて、太陽と向き合ってお互いの
姿を見つめられる様に大輪の向日葵になる

一年に一度の出会い だけど 私は、
貴方に会いたいから また来年も
頑張って花を咲かせるね!

太陽は、にっこりと明るく微笑んで
また、来年 向日葵に会えるのを
楽しみに待つのだった。

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