Saco

Open App
8/1/2024, 11:06:22 AM

明日、もし晴れたら

明日、遂に憧れだった君とのデートに
こぎ着けた。

後は 明日の天気を祈るだけ
そうして、明日 真っ青な青空の快晴に
なったら君に僕のこの思いを伝えたい
鮮やかな色とりどりの花束と一緒に...。

7/31/2024, 10:31:59 PM

だから、一人でいたい。

僕は、昔から、一人でいるのが好きだった。

お一人様も全然苦じゃ無いし
寧ろ心が静かで、穏やかになるから
好きだった。

寧ろ集団の中に居ると心が乱れる。
「ねぇ 一人で居ないで、こっちに来て
皆と遊ぼうよ!」と言って僕の気持ちも
聞かず一方的に手を取る 友達も

「あの子 ぼっちで可哀想」と勝手に僕に
憐れむ視線を向けるクラスメイトも

皆 皆 お門違い 勝手に僕を決め付けて
勝手に勘違いして
そう言うのを見たり聞いたりしていると
無性にイライラしてくる。

気持ちが攻撃的になる。

そんな自分になるのは、嫌だから....
だから僕は、一人でいたいんだ....。

7/30/2024, 10:51:26 AM

澄んだ瞳

キラキラと大きくて 丸い澄んだ瞳を
煌めかせて 水槽に手の平をべったり
付けて、水族館の魚達に夢中な我が子の
横顔をパシャリとスマホのカメラ機能で
宝物の宝石の様に枠の中に閉じ込めた。

7/30/2024, 12:29:39 AM

嵐が来ようとも

外は、ざあざあと 土砂降りな雨

風も吹き荒び 雷も空を割る様に鳴る

こう言う時は、家でじっとしているに
限る。
普通は、俺の様に思うのが普通だ。

そう、普通は....

「お兄ちゃん プール行こう!」
弟が、お気に入りのプールバックを持って
俺に話し掛けて来た。

「いや 何言ってんのお前....
外の天気が見えないの?
テレビでも 不要 不急の外出は、
控える様に警告してんじゃん!」

「どうせ濡れるんだから関係無い!」
弟は、拳を振り上げて、今日行かないと
意味が無いと言う様に手足をばたつかせた

「いや 関係あるよね! 雷に打たれて
死にたいの?」
弟は、ぷくっと頬を膨らませて
だんだんと支離滅裂な主張を
俺に展開する。

「電気風呂があるんだから電気プールが
あっても良いはずだ!」

「いや 何なのお前は、避雷針にでも
なるつもり?」

梃でも動かない俺にしびれを切らしたのか
弟は....「もういい!一人で行く!」と口を曲げて俺に踵を返そうとする 弟は、玄関に
向かおうとする。


いや 何なの弟のこのストイックさ
嵐が来ようとも折れない心は、
使い所を間違わなければある意味立派だが

俺は、さすがにやばいと弟を止めようと
腰を上げる。
しかしその前に「何 馬鹿な事やってんの
外に行ったら今日のおやつ抜きにするからね!」と俺が止める前に母親の雷が弟に
落ち弟は、泣きながら部屋に戻ったのだった。

弟よ!確かに俺は、今日一緒にプールに
行こうとお前と約束したがまさか
天気関係無く行こうとするとは、
俺も予想が付かなかったぞ!

弟は、いじけて部屋でいつまでも泣いていた。

後日 俺は、約束通り弟をプールに
連れて行った。

弟は、無類のプール好きなのか
はたまた俺のうぬぼれでなければ
極度のブラコンなのか 

そんな事を俺の隣を嬉しそうに歩く弟を
見ながら俺は、考えていた。

7/29/2024, 7:52:20 AM

花咲いて(番外編)⑭の続き

お祭り(番外編)⑮

●特別な笑顔

夏の暑い蒸し蒸しした夜
ハイネは、お祭りの屋台で、焼きそばを
焼いていた。

(はぁ~ 何か俺....この夏は、焼きそば
ばっか焼いてる気がする...)

視線の先には、浴衣を着た男女が
指を絡めた 恋人つなぎで楽しそうに
お祭りの屋台を回っていた。

(そう言えばあいつら来るって言ってたなあ...)ハイネは、いつものメンバーの
三人を思い浮かべる。

(浴衣....着て来るのかなあ....)

ハイネは、浴衣姿の___を思い浮かべる

自然と口元が緩んでいた。

「ハイネ君焼きそば三つ!」
「あっ....はい!」ハイネは、促され
焼きそばを作り始める。
「ハイネ君 本当に料理上手ね!」
「いえ...普通です....」ハイネは、
一緒に屋台をやる事になった先輩の
女性に答える。

「ねぇハイネ君この後 交代だよね
良かったらこの後一緒にお祭り回らない?」先輩の女性に腕を組まれ体を
密着され何だか不自然に胸を当てられるが
ハイネは、特に気にせず答える。
「あ~ すみません この後 友達と
約束があるんで....」とハイネやんわりと
断る。

しかし女性は、諦めず
「じゃあその友達と合流するまでで
良いからお願い!」女性は、上目遣いで
ハイネを見て、胸の谷間を強調させる様に
ハイネにくっ付く

しかしハイネは、そちらに視線をやって
いなかったので気づいていなかった。

「あ~そうすっね...じゃあ友達と神社の
方で待ち合わせしてるんで....
その道を行きがてら他の屋台も見てみます」ハイネとしては、此処までお世話に
なった先輩に気を遣って言ったつもり
だったのだが....何故か先輩は、更に
ハイネにくっ付く
(何だか歩き辛いんだが...)
「あの~先輩ちょっと歩き辛いので
ちょっとだけ離れてくれます....」
「カゴメ!!」「はあっ!」
「カゴメ先輩って言って!」
「ああ....はい....」(この人そんな名前だったっけ....)ハイネ基本的に初対面の人の
名前は、すぐ覚えられない
けれどこの先輩には、祭りの準備中に
いろいろと教えられお世話になったので
ハイネとしては、恩返しのつもりで
しかも年上なので相手を立てるつもりで
気を遣って「カゴメ先輩 何食べます?」とハイネにしては、精一杯に愛想を
良くしていた。

「じゃあたこ焼きとお好み焼きと
リンゴ飴とチョコバナナ」
「はぁ...」(結構食べるなあこの人)

「ハイネ君も食べよう大丈夫 大丈夫
私がおごるから!はいあ~ん」
カゴメがたこ焼きを楊枝に挿して
ハイネの口元に持って行く

ハイネは、屋台で焼きそばを作っていて
お昼を食べていなかった
加えてカゴメがいろいろ屋台で買った
物を気を遣って持っていたので
両手が塞がっていた。

だから、反射的に口を開けてしまい
カゴメがそれを見逃すまいとハイネの
口にたこ焼きを入れる
そこを....「ハイネ!」と眉を吊り上げ
浴衣姿で仁王立ちになっている
ミーナに呼び止められ
その後ろからナイトとシズクも顔を
覗かせていた。


「どう言う事よ!待ち合わせ場所に
なかなか来ないから迎えに来てみれば
綺麗な人とデートなんかしてこの
浮気者」

「お前誤解を招く様な事を大声で言うんじゃねぇよ!」ハイネ ミーナに抗議する

「誰 この美人な子ハイネ君の彼女」
カゴメがミーナを覗き込む

「違います!ミーナは、僕の彼女です」
ナイトがやんわりと訂正する

「ふ~ん」とカゴメが意味深な笑顔を
浮かべる。

「ねぇハイネ君 私もこのまま
ハイネ君の友達と一緒に居ていいかなあ」

「はあ!!」ハイネよりミーナの方が
大きな声を上げる。


こうして、五人で、お祭りを回る
事になった。

どうしてこうなった。
ハイネは、自分の行動を顧みる。

さっきからこのカゴメって女が
俺の隣を歩いて離れない
こんな風になるとは、思わなかった。

ミーナが俺を何やってんのよと言う
視線で、見て来る。
ナイトもミーナの隣でため息を付いていた
シズクに至っては、初対面の相手が居るからかいつにも増して大人しかった。

しかもいつもの四人で、居れば
自然とシズクが俺の隣を歩いて居るのに
今日は、後ろで静かに一人で歩いていた。

しかもこの並びになる前にさっきミーナに

『何でシズクに優しくしないで
他の子に優しくしてんのよ!馬鹿っじゃ
無いの!』と言われてしまう始末

その通りだった 何で.... 俺は
いつも いつも....

「シズク 何 食べる?」
ミーナがシズクに話し掛ける

「あ....えっと....リンゴ飴....」

「リンゴ飴ならさっき私
ハイネ君と食べたよ!
案内して上げようか?」

カゴメがにっこりとシズクに微笑む
「あ....は....はい....」

シズクが困惑しているのを見かねて
すかさずミーナが「私も」と声を上げるが
「いいよ いいよ 座ってて
ミーナちゃん 人多くなってきたし
皆で動くの大変だよ
だから 私達で買って来るから
じゃあ行こうか」
カゴメに促されシズクは、
「はい....」と答える。






シズクは、不安だった....
初対面の人と二人っきりで歩いているのも
そうだが 人が多くなって来て
シズクは、小柄なので前を行くカゴメを
見失いそうになって怖かった。

カゴメは、シズクの事を振り返らずに
どんどん前に行ってしまう

これで、ミーナが居ればシズクは、
ミーナの手に掴まるのだが
初対面のカゴメには、安易に手を繋げない
シズク それでもシズクは、
勇気を振り絞って....

「あ....あの....ちょっと待って下さい
と.... 止まって...下さい」

シズクの声が聞こえたのか ぴたりと
止まるカゴメ シズクは、安堵したのだが

「良かったあミーナちゃんがハイネ君の
彼女だったら諦めようと思ったけど....
そうじゃなくて....」カゴメがシズクの方を
向くシズクはカゴメの表情を見て背筋が
ぞわっと凍った。

「あっ....」気が付いたらシズクは、
カゴメにドンっと押され
人混みの中で尻もちを付いていた。

「痛っ!」シズクは、膝と手を擦りむく
シズクは、気が動転した
自分は、何かカゴメに嫌われる様な事を
してしまっただろうか....
初対面の相手だからとあまり喋らないのが
気に障ったのだろうか
シズクは、まず謝ろうと口を開きかける

「ハイネ君がこんな色気も何も無い
小学生みたいな子本気で相手するとは
思え無いけどね!」カゴメが口元を
歪ませる。

何故 ハイネの名前が出て来るのか
シズクには、分からなかった。
カゴメは、何か誤解しているのだろうか
誤解ならちゃんと解けば分かって貰えると
思いシズクは、痛みで涙が出て来そうに
なるのを懸命に我慢して口を開いた。

「ハイネは、仲間で、友達だよ....」
これで分かって貰えるとシズクは、
思ったのだが....

「私 ハイネ君が好きなの!」カゴメの言葉にシズクは、目を丸くする。

いつの間にかシズクとカゴメの周りは、
人だかりになっていた。

「だからハイネ君の周りに女の子が
居るだけで嫌なの嫉妬しちゃうの
この気持ちあなたも誰かを好きになったら
分かるでしょう! すごく嫉妬で
苦しいのだからあなたみたいにパッと
しない子ハイネ君に近付かないで」

「えっと~ぉ」シズクは、カゴメの言葉に
何も返せ無い だってシズクは、
まだ恋をした事が無いから だから嫉妬の
苦しさも良く分からなくて....

だけど ハイネに近付くなと言われて
はい、近づきませんとは、シズクは
言えなくて..... だからシズクは、
カゴメに対して黙って居るしか
ないのだった。

そうして何も返さないシズクを
見限る様にカゴメは、尻もちを付いている
シズクをそのまま無視し立ち去ろうとする

しかしそんなカゴメを呼び止める様に

「おい 人を突き飛ばして置いて
そのまま立ち去る気かよ!」

そこには、不機嫌そうに視線を鋭くして
カゴメを睨み付けるハイネの姿があった

「ハイネ君この子が自分で、転んで
私は、助け起こそうとして....」

「じゃあ今此処に居る 野次馬の奴らに
何があったか事細かに聞いてやろうか
お前とグルじゃ無い限り本当の事を言って
くれそうだしなあ....」

「っ・・・」カゴメは、舌打ちをし
最後にハイネに言い縋ろうと腕を伸ばすが
.... ハイネは、その腕を無視し
シズクの元に掛け寄る。

カゴメが頭に血が上りハイネに叫ぶが
「テメェまだいたのかよ さっさと俺の
視界から消えろ 十秒以内に消えねぇと
殺すぞ!」ハイネが、射殺す様にカゴメを
視線で刺すとカゴメがびくんとなり
そのままハイネの視線に恐怖を感じ
逃げ去った。

ハイネは、シズクを横抱きに抱いて
ベンチに座らせる。

「ハイネ....カゴメさんと仲直りしなくて
良いの?」シズクが心配そうにハイネを
見上げる。

「カゴメ....誰 そいつ!」
「? ?」シズクは、ハイネの返答に
疑問符を浮かべていたが ハイネは本気で
もうカゴメの名前を忘れていた。

「人の事心配して無いでテメェは、
早く自分の怪我治せ」

「うん....」シズクは、治癒術で
自分の擦り傷を治す。

傷は、治っても地面についた手や膝の土の
汚れは、そのままだった。

ハイネは、シズクの手や膝に付いた汚れを
自分の手で、払い

そうして、浴衣姿のシズクの髪型が少し
崩れて髪の毛が一筋シズクの頬に
くっ付いていた。

ハイネは、その一筋の髪の毛を自分の指先で、優しく払う
シズクが擽ったそうに「んっ....」と身じろぐ ハイネは、シズクのその表情に
口元を緩ませる。
そうして心の中で(浴衣姿....可愛いっ!)と
勝手に萌えていた。

しかしそんな事をシズクには、
悟らせない様に振る舞い....

「ほら ミーナとナイトの所に戻るぞ!」と
シズクをぶっきらぼうに促して....
シズクもハイネの言葉に「うん!」と素直に
頷き二人で自然に隣を歩いて
ミーナとナイトの所に戻るのだった。

Next