神様が舞い降りてきて、こう言った。
僕が、ベッドで寝ていると
神様が舞い降りてきて、こう言った。
「お前の魂は、私が貰う!」
何てこった...神は、神でも
死神だった。
病院のベッドで、余命幾ばくも無い僕に
そんな事を言っては、僕の側に舞い降り
寄り添い 僕の体が事切れるのを
今か今かと待っているその死神に
僕は、思わず笑ってしまい静かに
目を閉じたのだった。....
誰かのためになるならば
誰かのためになるならばと
コンビニのレジ脇に置いてある
募金箱に少ないけれどお金を入れた
硬貨がチャリンと音を立てて受け入れ口の
隙間から滑り込んで行った。
この行為が、巡り巡って 人の為に
なるのだろうか?
私は、正直に言うと自分本意の人間だ
これと言って 目立った人助けも
人生でした事が無い
だからこの行為も単なるきまぐれ
何の気なしの物だ
軽い気持ちで入れてみようかなあと言う
程度だ。
だから私がやった事は、優しさと言うより
偽善と呼ばれる物だ
だけど.... テレビのニュースや
ネットのニュースで、異国の情報が
流れると、たくさんの支援物資が
届けられる映像が流れる。
その支援物資の中には、
食料品 日用品 薬などそう言った
日常生活に必要な物
それらを 皆 笑顔で 心の底から
感謝して、中には、泣いて喜ぶ人も居て
そう言う映像を見て、ふと考える。
この人達が受け取った支援物資の中に
私の偽善めいた 気まぐれの募金も
入っているのかなあ....
だったら嬉しいなあ....
ニュースの映像で流れるこの人達の
笑顔を見て 私の自分本意だった優しさも
救われた。
そうした映像を見た 次の日
私は、また募金箱を見かけた。
私は、自分の品物を買うのとは、
別の小銭をポケットに忍ばせた。
鳥かご
ペットショップで、インコを二匹買った。
鳥かごを覗いたら、ピーチクパーチク
お話ししているみたいだった。
インコの秘密のおしゃべりが鳥かごの中で
繰り広げられている。
そんな二匹を観察して、私は、顔を
綻ばせた。
友情
友情とは、一体何なのか?
相手が困っている時に手を差し伸べるのが
友情なのか?
はたまた相手の為を思ってあえて厳しく
接するのが真の友情なのか?
俺の席の前で授業中 堂々と寝ていた友人に 「ノート見せて!」と当たり前の
様に手を俺の前に広げ ノートを催促する
友人の手に馬鹿正直にノートを置くか
『自業自得だろう!』とその手を振り払い
獅子の子を千尋の谷に突き落とすが如く
突っぱねるか 二択で悩み 俺の頭の中の
思考回路は、数秒止まった。
今一番欲しいもの(番外編)⑬の続き
花咲いて(番外編)⑭
●シズクちゃん
(星空の国のシズクちゃん)の続き
【灰色猫の憂鬱】
小さいお家にシズクちゃんは、
灰色猫さんと一緒に住んでいました。
「猫さん!...猫さん!...お花摘んで来たよ!」
シズクちゃんは、灰色猫さんにお花を
差し出します。
「ああ....」灰色猫さんは、頬杖を突きながらその花を受け取ります。
そうして、心の中で、何度もこう思います
(何でこんな事になった....)
始まりは、泣いている少女をうるさく感じ
自分の所から退かしたくて、他の道に
案内しただけなのに....
それから何だかんだ危なっかしい
少女を湖から落ちそうになったのを
思わず助けてしまってから
何故か一緒に住む事になり
何処へ行くにも一緒に付いて行く事になり
それに何だか....
灰色猫は、チラリとシズクちゃんの
方を見ます。
シズクちゃんは、嬉しそうに摘んで来た
花を花瓶に挿して....
「猫さん 見て...見て...」と灰色猫さんに
呼び掛けます。
灰色猫さんは、それに「ああ...」と答え
(何か懐かれた....)灰色猫は、思考を
回し特に懐かれる様な事は、していないのに何でだろう....と考えます。
早々に出て行こうとシズクちゃんに
「じゃあな!」と声を掛けた瞬間
「行っちゃうの....」とシズクちゃんは
悄然とした表情になり瞳をうるうると
潤ませます。
それを見て灰色猫は、「うっ....」となり
罪悪感を感じてしまい....
「まぁ....お前が良いならもう少しだけ
居てやっても良いけど....」とそんな事を
灰色猫が言うとシズクちゃんは、
「うん!」と頷き花が咲いた様な笑顔を
浮かべるのです。
そして、ずるずると何だかんだで
一ヶ月シズクちゃんと一緒に住んでいる
灰色猫(誰かと一緒に居るって俺の性に
合わないんだけど....)基本 灰色猫は、
野良猫生活を信条にしています。
その方が自分に合っているからです。
でも....灰色猫は、またシズクちゃんに
視線を転じます。
シズクちゃんは、ご飯を作ろうと
キッチンの棚の上の調味料の小瓶を取ろうとしていますが踏み台がふらふらと揺れ
今にも倒れそうです。
灰色猫は、急いで駆け寄り踏み台を押さえ
ます。
シズクちゃんは、バランスを取り戻し
「猫さん....ありがとう」とお礼を
言いました。
(どうにも...こいつ危なっかしいんだよなあ....)一人で住まわせて置くには、
些か頼り無く心許ない自分が気まぐれとは言え助けた命だ。
此処で何かあって死なれたりしたら
後味が悪い....
灰色猫は、はぁ~とため息を付き
「ハイネだ....」ぼそりと言います。
「ハイネ??」シズクちゃんは、
キョトンと首を傾げます。
「俺の名前だ 一緒に住んでるんだから
名前位 覚えろ!」
シズクちゃんは、それを聞いてぱあっと
顔を輝かせます。
「うん....分かった....宜しくね...ハイネ...」
ハイネに向かってシズクちゃんは、
また花が咲いた様な笑顔を浮かべます。
灰色猫は、心の中でため息を付きました。
本当は、灰色猫に名前なんかありません
名前だって今 自分で付けたのですから
灰色猫だから略してハイネなんて名前を
速攻で考えたのですから
野良猫生活が長かった灰色猫には
名前なんて必要ありませんでした。
けれど.... (何やってんだろう俺....
まさか自分から名前を付けて名乗る事に
なるなんて思いもしなかった....)
こうして灰色猫もといハイネは名前を
シズクちゃんに名乗った事でシズクちゃんの飼い猫になったのでした。
これから二人には、どんな出来事が待っているのでしょう....
それは、またの機会に....
とりあえず今日は、ここまで....
さようなら!!