1件のLINE
ピコンと音が鳴って、1と書かれた赤い
ピンマークが1件のLINEが来た事を知らせる。
何だろう?と何気なく開くと
こんな訳の分からないメッセージが
書かれて居た。
『このLINEのメッセージを開いたら最後
一週間以内に他の人にメッセージを回さないとその二週間後に死ぬ』
by呪いのLINE
そんな巫山戯たメッセージが俺のスマホに
入っていた。
あ~一昔前に流行っていた呪いの手紙の
LINE版ね!とホラーマニアの友達の顔が
浮かぶ。
俺は、スマホを動かし
『もし俺が死んだらお前の家に化けて
出てやるから安心しろ!』と返してやった
しばらくして その友達から
『お前の執念ハンパねェ』と返って来た。
そうして数分間 俺と友達の下らない
やり取りは、続いた。
目が覚めると
気が付くと一面お花畑の場所に立って
いた。
ここは、どこだと視線を彷徨わせ首を
動かして辺りを窺うと遠くの方で
「お~い」と呼ぶ声が聞こえた。
目を凝らして声の方向を見ると
俺は、確信する。
嗚呼 これは夢だと....
そして 早く目が覚めないとこれは
やばい奴だと....
だって「お~い」と俺を呼ぶ声を
発しているのは 去年と 一昨年に
それぞれ亡くなった
おじいちゃんとおばあちゃんだった。
嗚呼 これ二人が呼ぶ方に行ったら
完全に俺もあの世に行く
目が覚めるには、どうしたら良いんだ?
ほっぺたを抓ってみるが夢なので
痛く無い
早くしないとおじいちゃんとおばあちゃんの輪郭がはっきりして来て像を結んで来て
居る。
自分の視覚が二人をはっきり認識する前に
此処から出ないとやばい....
え~とつまりあれだ
二人が呼んで居る方向の逆方向に進めば
良いんだと俺はおじいちゃんおばあちゃんに背を向けて道を戻り始める。
するとだんだんと道が明るくなって行き
光の入り口みたいな物が見えて来た
俺は、一か八かその光に飛び込む
そして次に目が視界を捉えた時
俺の目に映ったのは、白い天井と
病院のベッドに寝かされてる自分
誰かがすすり泣く声だった。
どうやら俺は間に合ったらしい
おじいちゃんおばあちゃんには悪いけど
まだまだそっちに行くのは先延ばしにしたい
俺は、ギリギリセーフでこの世に戻って
これたらしい....
嗚呼 目が覚めて本当に良かった。....
私の当たり前
私の当たり前は、君 いつだって君が
側に居る事が私の当たり前なんだ
だから...私が側に居る事が貴方の当たり前になってると良いなあってささやかな
願望を抱いてしまう....
「おはよう~」君が起き出して私に声を
掛ける。
私も「おはよう~」と返す。
こんな何でも無い当たり前の日常が
君と一緒に居られる日常がいつまでも
続けば良い....
出来るだけ長く続けば良い....
それが私が心の中で願う
当たり前の願い事
だから 神様どうかこの願いを叶えて下さい。
いつまでも いつまでも彼と居させて下さい。
そうして 永遠に眠る時も彼の隣で
眠らせて下さい
他には何も要りません
当たり前だけをどうか永く
よろしくお願いします。!!
街の明かり
煌々と輝く街の明かり 街灯
イルミネーション ネオン
家々の明かり
明かりの数だけそれぞれの物語がある。
夜の街の始まりの明かり
就寝前の仄かな明かり
家庭の団らんの暖かな明かり
それぞれの中のそれぞれの明かり
さあ明かりのスイッチを押して
物語の明かりを付けよう!
街の明かりが物語のページを開く
今日は、どんな物語が始まるのだろう
わくわくしながら
街の明かりの1ページ目を開く
物語の明かりを辿って....。
まずは、物語の序章に辿り着こう。
其処には、きっと笑顔の明かりが
灯って居るから....。
友達の思い出(番外編)⑦の続き
七夕(番外編)⑧
●織姫と彦星の一年に一回の出逢い
7月7日七夕の日
織姫と彦星が一年に一回 出逢う大切な日
その日には、必ず笹の葉にてるてる坊主が
吊されていた。
そうして必ず毎年決まった願い事が短冊に
吊される。
織姫さんと彦星さんが今年もちゃんと
会えますように 今年の七夕の日も晴れます様に (シズク)
そう シズクが毎年 七夕で願う事は
毎年この願い事だった。
皆に自分の願い事を書くんだよと教えられ
毎年願い事を考えるが 結局 最終的に
願う事は、毎年いつも同じこの願い事だった。
そうして、シズクは窓の外をじっと見て
この日が終わるまで雨が降らない様に
空を見続ける。
(織姫さんと....彦星さん....会えたかなあ)
シズクは、二人が幸せそうに手を繋いで
話している姿を目に浮かべる。
そんなシズクを皆 苦笑しながら
微笑ましい視線を向けていた。
ハイネだけは、呆れながら溜息を吐いて
(だから....自分の願い事を書け!!
馬鹿シズク....)なんて思って居たが
決して指摘は、しない....
そうしてシズクの願いが今年も届いたのか
夜になっても雨が降る事はなかった。
夜空には、二つの星が一際 光って
主張していた。
まるでシズクにありがとうと言っているかの様に輝いていた。