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目が覚めると

気が付くと一面お花畑の場所に立って
いた。
ここは、どこだと視線を彷徨わせ首を
動かして辺りを窺うと遠くの方で
「お~い」と呼ぶ声が聞こえた。

目を凝らして声の方向を見ると
俺は、確信する。
嗚呼 これは夢だと....
そして 早く目が覚めないとこれは
やばい奴だと....
だって「お~い」と俺を呼ぶ声を
発しているのは 去年と 一昨年に
それぞれ亡くなった
おじいちゃんとおばあちゃんだった。

嗚呼 これ二人が呼ぶ方に行ったら
完全に俺もあの世に行く
目が覚めるには、どうしたら良いんだ?
ほっぺたを抓ってみるが夢なので
痛く無い
早くしないとおじいちゃんとおばあちゃんの輪郭がはっきりして来て像を結んで来て
居る。
自分の視覚が二人をはっきり認識する前に
此処から出ないとやばい....
え~とつまりあれだ
二人が呼んで居る方向の逆方向に進めば
良いんだと俺はおじいちゃんおばあちゃんに背を向けて道を戻り始める。

するとだんだんと道が明るくなって行き
光の入り口みたいな物が見えて来た
俺は、一か八かその光に飛び込む

そして次に目が視界を捉えた時
俺の目に映ったのは、白い天井と
病院のベッドに寝かされてる自分
誰かがすすり泣く声だった。

どうやら俺は間に合ったらしい
おじいちゃんおばあちゃんには悪いけど
まだまだそっちに行くのは先延ばしにしたい
俺は、ギリギリセーフでこの世に戻って
これたらしい....
嗚呼 目が覚めて本当に良かった。....

7/11/2024, 4:13:06 AM