失われた時間
貴方を失って 私の時間も失われてしまった。
私の時間だけ時が止まった様に空間から
切り取られ 破れてしまった。
いつまでも失われた時間に囚われて居る私
前に進まなきゃ行け無いのは、
分かってる。
だけど今だけは、失われた時間の中で
膝を抱えて泣く事を許して欲しい....。
子供のままで
ある日 仕事場に行くと上司が若返っていた。
「おお~助手くん来たか~」だぼだぼの白衣の袖を揺らして僕の上司 自称発明家の
博士は、昨日までは、僕より年上の老齢の
大人だったのに 今日は僕より年下の
少年の姿に変わっていた。
「は...博士ですか....」と僕がおそるおそる
聞くと 博士は、「如何にも」と頷いた。
「どうしちゃったんですか?その姿」
僕が現実が信じられず疑問を呈すると
「若返りの薬を発明したのじゃ成功して
何よりじゃ」
口調は、間違いなく博士だった。
「わ..若返りな..何でそんな物を...」
「君が昨日呟いていたじゃろ
いつまでも子供のままで居たいと
それを聞いた瞬間 儂の中で天啓が
降りたのじゃこれじゃとな!!」
僕は昨日の自分を振り返る確かに
仕事に追われて膨大な資料の山を見つめて
そんな事を呟いた気がする....
「博士 僕は別に若返りたい訳では無く..」
唯 子供のままの心で大人になれたら
仕事も義務では無く趣味として心良く
受け入れられるのでは無いかそんな事を
思ってしまったのだ。
「いやいや助手くんこれは中々の
アイデアじゃ見てくれ体が軽いこの体なら
フィールドワークも出来るぞ!」
そう言うと博士は、いそいそと荷造りを
始めた。
「よ~しそうと決まれば出かけるぞ
助手くん!」
「えっ で 出かける?」僕は話の進み
具合に付いて行けなかった。
「テレビのニュースで言ってたんじゃ
Y山で幻の鉱石が見つかったとな真相を
確かめたくて ずっとY山に行きたかったん
じゃが...年齢を理由に諦めていたんじゃが
助手くんのおかげで決意出来た
感謝する。
と言う訳で助手くん一緒にY山に行こう」
そう言って博士は、僕にも荷物を背負わせ
決定事項の様に活き活きと外を指さし
フィールドワークに僕を連れ出し
Y山に出掛けたのだった。
そうしてこの時 僕は、思った。
嗚呼 子供のまま大人になった人が
僕の目の前に存在していたと....
そうして老いを克服した博士は発明の
技術と好奇心を携えて 西へ東へ
北へ南へ 東奔西走 行ったり来たり
フットワークが軽くなった博士を
止められる者は、いなかった。
僕は、博士の前でぼやいたり呟いたりするのは止めようと心に誓う
こうして 数日間 若返りの薬の効果が切れるまでフィールドワークに行きまくった
僕と博士は、後に全身筋肉痛に苦しめられる事になるのだった。
愛を叫ぶ
今日も俺は愛を叫ぶ
「妹よ~~~ぉ!兄ちゃんの手作り弁当
忘れてるぞ~~~ぉ~ 愛情たっぷりだぞ~ぉ~」と俺は、学校に向かう為に
最寄りのバス停の列に並んでいる
妹に大声で叫ぶ
ちょうどバスがバス停に着き妹は俺の
声を無視しバスに乗ろうとする。
俺は、弁当を渡す為に妹を捕まえる
「ほらお昼はちゃんと食べないと駄目だぞ」その声を聞いて妹は目を吊り上げて
俺を睨む。
妹は、俺の手からひったくる様にして俺の
手から弁当を摑むそのまま何も言わず
バスに乗り込む
バスのドアが閉まり俺は、妹に手を振る。
妹は、俺には振り返らずそのまま後ろの
席に行ってしまった。
しかし俺は、気にせず腰に手を当て
満足げに頷き
今日も妹を餓死させずに済んだとほっと安堵するのだった。
そんな兄の一方通行の愛を妹は....
(あの馬鹿 公衆の面前であんな大声で
叫ばないでよ恥ずかしい~ お弁当なんて
無かったら購買で買うのに~」と顔を
両手で覆って項垂れるのだった。
こうして兄の重すぎる愛を妹は、今日も
鬱陶しく なおかつ 受け止め切れないの
だった。
モンシロチョウ
ひらひらと舞い花から花へふわりと止まって 白い翅を畳んで休んでそして、また
花から花へ止まって行く 花に止まるのは
花の蜜を吸ってるからでしょうか?
蜜を吸う蜜を運ぶイメージの昆虫って
やっぱり私は、蜂 蜜蜂を思い浮かべるが
蝶々も蜜を吸ってるんだよね?
それとも吸ってないのかなあ?
いや吸ってるよね?
蝶々も虫だもんね
分からないけど吸ってるよね?
その蝶々の中でモンシロチョウはやっぱり
白い翅が清らかな綺麗なイメージが浮かぶ
思えば蝶々も花の様に色々な色の翅の
蝶々が居るなあ....
花占いならぬ蝶占いみたいな物があったら
面白いかも まぁ無いけどね....
色々下らない事を言ってしまったが
なんかモンシロチョウと言うよりも
蝶々と言う全体の事を語ってしまったが
さっきも言った通り私のモンシロチョウの
イメージは、清らか 綺麗あと 純真など
清廉潔白な言葉が浮かぶ
花言葉ならぬ蝶言葉が出来たりして
出来無いかぁ....
じゃあ色々長々とすいません
この辺で終わりにします。
忘れられない、いつまでも。
今日で、あの人が居なくなって一年が
たつが未だにまだ慣れない。
墓前の前で手を合わせ、呟く。
「全く 私ばっかり年を取って行くわ」
なんて、少し不満をぶつけても
もう、貴方は、居ない。
車に引かれそうになった子供を助けて
事故に遭うなんて、本当に貴方らしいんだから....
こうして、お墓参りに来るたびに貴方を
思い出す。
ずっと貴方を忘れられないのはきっと
幸せな事なのかもしれないなんて
思いながら私は、その場を後にした。