伝えたい
携帯電話で 友達と喋って30分
そろそろ切らないと 塾の時間だ
しかしなかなか切り所が分からない
伝えたい話しが多すぎて 楽しすぎて
相手が大笑いする。
私もつられて大笑い
アハハハ アハハハ 笑いが大きくなり
止まらない
あと10分
あと5分
もう塾さぼっちゃおうかな?
こんなに楽しいんだもん
水を差す必要なんてないよね...
勉強は、家でも出来るし...
もう少しこのままで...
楽しい時間は、あっという間であり
永遠に過ごして居たい時間でもある
もう塾の時間だ。....
さぼり決定!!
伝えたい事がお互い 多すぎて まだまだこの長電話は、続きそうだ....。
多分 携帯の充電が切れるまで...。
続きそうだ....。(笑) ....
この場所で
この場所がいつも貴方の定位置だったね
この場所で お茶を飲み
この場所で テレビを見て
この場所で 日向ぼっこをして
いつも私や 家族の事を見守ってくれたね
大好きだった おじいちゃん
今も もちろん大好きだよ!
おじいちゃんがいつも座っていた席
おじいちゃんがいつも座っていた 椅子の
方を見ると 今もおじいちゃんが優しい
笑顔を浮かべて 温かく手を振っている
姿が目に浮かぶよ
これからも 私やひ孫達を変わらない
眼差しで見ていてね!
天国に先に旅立った
おばあちゃんとこれからも仲の良い夫婦で
いてね!
二人ともずっと変わらず大好きだよ!
これからもずっと
そう想いを込めて私は、二人の遺影の
写真が並んでいる仏壇に花を添えた。...。
誰もがみんな
私には、憧れの人がいる。
クラスの人気者で リーダー的な存在の
縫野芽生(ぬえの.めい)さん
優しくて、明るくて、皆の輪の中心で
活発で、はきはきしていて
皆に頼られて...
私とは、正反対
私は、地味で おどおどしていて
喋るのも緊張して、辿々しい
(縫野さんみたいになれたらなぁ...)
「芽生 昨日のテレビ見た?」
「見た 見た超 面白かったよねぇ」
私 縫野 芽生は、友達の輪の中で
喋りながら ちらっと 廊下側の席で
静かに本を読んでいる。
女の子を見る。
橋本加奈(はしもと.かな)ちゃん
お人形みたいに 長い黒髪に
物静かで おしとやかな感じが私の
憧れだった。
私は、ズバッと物を言ってしまうので
たまに友達と行き違いのトラブルがある
トラブルと言ってもそんな大きな物では、
無いので すぐ仲直りできるのだが...
そう言う 一歩 踏み出し過ぎてしまう
所が 私の短所だった。
橋本 加奈ちゃんみたいに
落ち着いて 話してみたい...
縫野さんみたいにはっきりとはきはきと
喋べってみたい...
私 橋本加奈の ささやかな願いだ....
誰もがみんな自分にコンプレックスを
持っている。
短所を持っている。
しかし 自分では、短所だと思っている
所が他の人には、憧れの的だったりするのだ。...
自分の中の短所 それは、自分しか
持てない 長所でもあるのだ...
誰もがみんな違う 性格 容姿 体型
肌の色 性別 言語の違い
文化の違い 五体満足 不満足
みんな みんな違う 一見
平等 不平等に 見えるかもしれない...
しかし 自分と全く違うと言う事は、
自分とは全く違う価値観に出会えると言う
事でもある。
その中で また合う 合わないと価値観の
相違の問題も出て来るだろう...
その中で また悩み 葛藤するだろう....
人間関係の悩みは、一生付いて回る。
だけど それで良い
正解は、自分で選べる。
自分で選択できる
友達になって 喧嘩して 疎遠になったり
また 仲直りしたり それを繰り返して
自分の考えも また変わって行く
育って行く 泣いて 立ち止まって
傷つき 傷つけ そうやって何度も失敗して 自分で正解に辿り着ける
間違っても 誰かに 偉ぶって
点数をつけられたりしない
だから大丈夫 !!
評価を恐れなくて良い
決まった正解など無いのだから....
世の中は、みんな同じじゃなきゃいけない
様な風潮がある。
だけど こんな言葉もある。
皆 違って 皆いい
最後にこの言葉を貴方に送って
綺麗に終わろうと思う....
END
花束
リーン ゴーンと厳かに チャペルの鐘が鳴る。
白いタキシードを着た男性と腕を組んで
純白の白いドレスで着飾り 紗のベールで
長い髪の毛を 纏め 隠し
ゆっくりと二人して
チャペルの階段を降りて行く
周りは、最高の笑顔で祝福する様に
花びらをひらひらと撒いては、
道に 花びらのロードが出来上がる。
最後にドレスを着た女性が後ろを
向いて 花束のブーケを空に高く
放り投げた。
ハッピーウェディング
末永くお幸せに!!
スマイル
「いらっしゃいませ!」お客様が来店して
営業スマイルを浮かべる俺
「ご注文は、お決まりでしょうか!」
お客様のご注文を取りにテーブルに向かい
電子の機械で注文を入力する。
それが終わるとまた次のテーブルへ
お水のお代わりを取りに向かい
また違うお客様に注文を聞きに行く
帰るお客様のレジの精算を済ませ
食べ終わったお皿を片付け 流しに
持って行きお皿を洗う
テーブルを台拭きで拭き また真新しい席を作り また新しいお客様にメニュー表を
持って行く
そのサイクルを繰り返し俺の一日は、
終わりを迎える。
「ふぅー」俺は、ため息を吐く
看板のプレートをオープンから
クローズに変更してやっと一息入れる。
「お疲れ!」お店の先輩が缶コーヒーを
渡して労ってくれる。
俺は、「ありがとうございます」と缶コーヒーを受け取る。
先輩が俺の隣に来て 悪戯を考え付いた
子供の様に笑い
俺の眉間に指を付けて 優しく揉む
「また 此処に皺出来てるよ!」
俺は、先輩の指摘を受けて
気まずそうに顔を逸らす。
「これが通常運転なんです もう表情筋
疲れた~ぁ」
先輩は、そんな俺を見てクスクスと笑う
「君の営業スマイルは、レアだから
有料にしたいね!!」
「その分のお金は、俺にも入るんすかねっ!」
先輩は、面白そうにまた笑い
「プライベートで そのスマイルを
発揮する気は無いの?」
「ないっすね!」先輩は、俺の答えに
また笑う
そんなくだらない事を喋り
今日も俺の一日は、過ぎて行く。