未来のあたしはどうなってるんだろう。
どんな人生を歩んで、どんな生涯を終えるのか
ふと考えてしまうことがある。
きっと大した人生じゃないのは確かだね。
「またな」笑顔でそういうあなたに私も笑顔で「ばいばい!」と言った。
また会えると思ってた。いつも通りの声、優しい声、大好きなあなたの声。
本当に大好きだった彼は急にいなくなった。
あなたの匂いも、声も、顔も。記憶がどんどんと薄れていく。嫌だ。わからなくなってきた。どんな匂いだったっけ。どんな声だったっけ。どんな顔だったっけ。わからない。わからない。わからない。
…どんなだっけ。
覚えてるのはうろ覚えのあなたの顔と何をしたか。
もう二度と戻れないし知ることが出来ないあなたの声をもう一度聞きたい
はじめはほんとに小さな愛だった。
どんどんおっきくなる気持ちが、
私には抑えられなくて
気づいたら声に出してしまっていた。
「すき...」
我に返って頬を染める。
あなたの顔を見上げた私は
驚きながら耳まで真っ赤にしてるあなたが目に入った。
目が合って、恥ずかしさですぐ逸らす。
「ありがとうございます。」
小さな声で聞こえる。続けて
「でも、立場上気持ちに対して答えてあげることは出来ないです。」
わかってる。わかってた、はずだった。
涙がこみ上げてくる。泣くな。泣き止め。涙早く引っ込め。ダメだ。我慢できない。
溢れる涙を堪えながら一言。
「もう少しおっきくなったら結婚しようね」
作り笑いしながらそういうと
「成人した時まだ気持ちがあれば来てください」
今言える精一杯の返答をくれた。
はじめは小さな小さな愛だったのにずっとずっとおっきな愛に変えてくれたあなたが大好きだよ
こんなにも広くて明るくてどこまでも続いてる空が一瞬にして暗闇に変わって視界が悪くなりこの世の終わりを告げるかのように変わったあの日。一体どれだけの人が魂となり、夢が打ち砕かれたのかわからない。
あの時があったからの今の生活なのかもしれないが、やはり二度と同じ過ちを繰り返すことのないように生きていきたい。
あの頃の夢ってなんだったんだろう。
いつも親に言われた道を通らされて、少しでも違う道を行こうとしたら酷く怒られた。
あたしの意見は何も通らない。あの子と遊ぶのは辞めろ。ここには行くな。ゲームはよくない。マンガを読むな。色々な言いつけがあったのは覚えている。
なのに子どもの頃何になりたかったのか、何に興味があったのか。何も思い出せない。
たしかにあったはずの夢が思い出せない。ずっとずっと親に言われたこと以外の行動はさせて貰えなかったから。口に出すことすら許されなかったから。高校もその先も、あたしは親の望む進路を取らされたから。
もう何になりたかったのか、何を考えていたのか自分の意思なのか親の意思なのか区別もつかなくなった。