お願いだから私のそばから離れないで。
先に行かないで、、。なんでいなくなるの?
なんで?私あなたがいないとダメな子なんだよ。
朝も起きれないし、仕事も手がつかなくなるの。
私を見捨てないで。先にいなくならないで。
私から幸せ奪わないで。手の届く場所にいて欲しかった。近くて遠い場所にいるあなたにはもう二度と会えないんだよ。私が私でなくなる時あなたはあなたでない誰かになってますか。
12歳の私は9つ上のお兄さんの背中を必死に追いかけていたね。
川のようにどんどんと先に進んでいってたまに湖のように停滞して私が近づくとまた、川みたいに進んで行った。
追いつきたいのに追いつけない。先に進んでしまったらもう戻ってこない。
分かってはいるけど受け入れ難い事実に直面してたよね。
広くておっきなあなたの背中を見てきたからか、私はあなたみたいになりたい。そう思うようになったよ。
初めの印象は怖い人。笑わないし表情が変わらない。
何を考えてるのか分からないしトーンの低い声で淡々と喋るあなたが怖くて苦手だった。
でも、何故か気に入られて沢山話しかけてこられた。何年も見てきた人にすら驚かれるくらい笑いかけられた。気づいたら好きになっていた。時には冗談で酷いことを言ってきたりして嫌い!!って思うこともあったけど反応を見て楽しんでるのに気づいてからはそんな所も愛おしく感じた。意地悪なところも優しいところもどんなあなたもだいすきだった。
あなたは急に居なくなった。声を聞くことも笑いかけてくることもなくなった。近くて遠い場所に行ってしまった。会えるけど会えない。もどかしさから嫌いになろうともした。でもダメでどんなに嫌いになりそうなことを考えてもそれすらも好きで好きで仕方なかった。
あの雨の日、泣きながらあなたの胸に飛び込んだ
雨の香りとあなたの香りに包まれて
止まらない涙をひたすらに流した跡だけが私に残った
私とあなたを繋いでいた1本の糸はもう繋がっていないみたい