mimimi

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3/25/2024, 10:21:53 AM

『ところにより雨』




「ただいま戻りました、、、」

悠人さんの声。
なんだか声に元気がない。
振り向こうとして別の驚く声に驚いた。

「雪村!?」

「あーーうん、急な雨で濡れちゃって、、、」

は?

勢いをつけて振り向く。
いつもセットしている髪の毛と、ジャケットは着ていないので、その下のベストとYシャツがずぶ濡れだ。

おそらく、もうすぐ会社に着くからって、面倒くさがって、コンビニで傘を買わなかったパターンだ。
天気が怪しい時は折りたたみ傘を持ち歩けって言ってるのに。
そう思う僕の顔は険しくなっていたらしい。

「なんとか会社までは持つって思ったんだけど。
会社前の横断歩道で待ってたら、ホントにすごいスコールでしょうがなかったんだよ、、、」

驚いた声をあげた同期の桜井さんに向けてではなく、これは明らかに僕に向けてのセリフだ。
現に横目でチラチラこっちを見ている。

「にしても、ずぶ濡れすぎるだろ、、、。
あーえーっと、、、」

桜井さんはそう言いつつ、周りを見渡した。
そして、僕に気づいて、苦笑いをした。
正式には、『険しい顔』の僕にだ。

「夏目。休憩室一緒に行ってやってよ。
ついでにさっきの資料も資料室で探してきてもらえたら助かる」

「、、、了解」

返事の声が思っていたより低い声だったせいか、雪村さんの肩が少しビクッと動いた。

「行きましょうか、雪村さん」

「は、はい、、、」

3/20/2024, 12:02:35 PM

『夢が醒める前に』




目を覚ました。

ガチャッと寝室の扉が開いて、夏目が入ってきた。

アレ?なんで夏目が俺の家にいるんだ?
平日だよな、、、?
なんか頭がボーっとする。
夢かな?

夏目の方に腕をのばす。
パジャマの袖が目にはいる。
あ、俺、パジャマ着てる。
やっぱり、寝てたんだ。
なんだ、、、

でも、夢ならいっか、、、

「起きたの?
悠人さん?」

近づいてきて跪いた夏目の顔に手を伸ばす。

「え、、、ちょっ、ちょっと、悠人さんっ、、、」

「司、、、」

夏目の頬に触れる。
あったかいな。
夢なのに肌の温度まで感じるってスゴイな、、、。
まるでリアル。

両手で頬を挟んで引き寄せた。

「ま、待って、、、悠人さんっっ、、、」

3/19/2024, 11:29:09 AM

『胸が高鳴る』




「うちに泊まるか?」

え、、?
雪村さんの提案に驚きを隠せない、、、
反応が少し遅れて、間が空いたことを誤解したのか

「ごめん。急に言われても困るよな。
無理にとは言わないけど、、、」

うつむいてしまった。

「ち、違う!
この上ない提案です!!」

言いながら雪村さんの手を取り、僕の手でギュッと包み込むと、照れてる証拠で耳が赤くそまったのがわかった。

「『この上ない提案です』って、仕事かよ」

雪村さんがふんわりと笑った。

ダメだ、心臓が持たない、、、

3/14/2024, 1:08:54 PM

『ずっと隣で』




『...rrr...rrr...』

「、、、は、、い」

スマホの呼び出し音。
かかってきた電話に出たらしく、背後で寝ぼけた返事が聞こえる。

「ん、、、はい、、、じゃ、、、」

ピッ、、、と通話が切れた音がした。
通話が切れた途端に、浮上しかけていた意識がまた夢の中に戻りそう、、、と思ったのだけど。

「、、ゆう、と、、、さん、、、」

背後から腕が伸びてきて、ぎゅっと強く抱き込まれて、その力強さに目が覚めてしまった。

今日は、週中の祝日。
夕べは夏目と飲みに行って、そのまま夏目の部屋に泊まった。

壁の時計を見ると、朝8時。
うーーん、、、起きてもいいんだけど。
この心地よさも捨てがたい。

あと少し。

3/13/2024, 1:11:18 AM

『もっと知りたい』




朝なかなか起きられない
家では甘えんぼ
照れ屋
仕事はテキパキ
瞳の色が薄い
お酒に弱い
細マッチョ
襟足が色っぽい
声が色っぽい

まだまだある。
語り出したらキリがない。

でも、知らないコトもまだある。

「だからーー、僕、、、」

今日のお酒は楽しい。

「、、、おい、雪村、それ、どうにかしろ」

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