放課後はボーナスタイムだ。
放課後は楽しいことが百倍になる時間なんだ。
例えば学校で怒られてもあっても、ボーナス100倍で大逆転だ。
だからいつも家にランドセルを置いたら、友達と遊びに行っていた。
でも今日はみんな予定があって遊べない。
塾とか習い事らしい。
遊べると思ってたから、ガッカリだ。
ガッカリも100倍。
なんか面白いもないかと思いながら歩いていると、泣き虫の花子が道のの端でしゃがんでいた。
どうせ転んで泣いてると思って近づくと、スコップを持って花を植えていた。
声をかけようと花子の顔を見ると、真剣な顔をしていた。
初めて見る表情に驚いて声が出ない。
なんとなくずっと見ていると、花子がこっちに気づいて顔を上げた。
「あれ、太郎くん、どうしたの?」
花子は不思議そうにこっちを見る。
「今ね、お花を植えているの。やってみない?」
花子はスコップを渡そうとしてくる。
「いや、友達と約束あってさ。えっと、忙しんだ。また明日な」
そう言って家の方向に走り出す。
しばらく走って、家の前で止まる。
走ったせいで心臓がドキドキしていた。
家の前まで来て、安心していると花子の真剣な顔が頭に浮かんでくる。
慌てて首を振る。
ちがう、少し驚いただけだ。
そうだ、胸が変なのはいるのは走ったせいだ。
あいつなんてなんとも思ってない
だから花子のことで100倍ドキドキしたなんて絶対にない
カーテンとは、外と内を分ける結界だ。
外の世界には危険なもの、嫌なもの、醜いものがたくさんある。
この大きな布がここに掛かっているかぎり、私がそれを見ることはない。
しかし私は、勢い良くカーテンを開ける。
何故なら、素晴らしいものや輝く宝は外の世界にもたくさんあるのだ。
だから私はそれを探しに行くのだ
いざゆかん。冒険の旅へ。
なんて、かっこいい事を言ったものの、仕事に行きたくない気持ちは変わらない。
無理矢理にでも気分を上げる作戦は失敗である。
成功なんてしたことないから別にいいけど。
別に今日は大事な会議があるわけでもなければ、嫌いな上司がいるわけでもない。
純粋に仕事が嫌いだ。
外を見てもまだ日が昇ってない。
なぜこんなに早く出なければいけないのか。
理解に苦しむ。
いや理解はしている。
お金のためだ。
好きなことをするために、お金が必要だ。
それでも行きたくない。
あーあ。
どこかに嫌なものから守ってくれるカーテン、売ってないかなあ。
「涙の理由?それを聞きたくて走ってきたの?」
私は呆れる。
走ってきたのは、私のファンだと言って憚らない後輩である。
私のことを何でも知りたいらしい。
こうなると思ったから、見つからないようにしたのに。
「はい、何かあったのなら放おっておけません」
「何でもないわ。ワサビが効いただけよ」
「嘘です。ワサビなんて食べてないですよね」
たしかに適当に言い逃れをしたが、普通追求するかね。
「あのね。それは聞いてほしくないって意味だから」
「分かりますよ。でも先輩のこと知りたいんです」
「‥あんたね、そろそろ怒るわよ」
「先輩、怒った顔も素敵です」
さすがのこれには開いた口が塞がらない。
段々落ち込んだのがバカらしくなってきた。
この子の相手をすると、最後にはいつもそうなる。
この子なりの励ましなのだろうか。
「あー、涙の理由ね」
彼女の目が輝き始める。
「あれ、何だっけ」
「えー、今更なしですよ、それ」
そう言われても、今はもうどうでも良い。
だが彼女は納得しないようだ
その時、悪魔が囁いた。
私のことを知りたいとな
ならば教えてあげよう
「うーん、寿司食べたら思い出せそう」
「ホントですね。そこに回転寿司あるんで入りましょう」
彼女は疑わず、寿司屋に入っていく。
計算通りだ。
今の私の顔はかなり邪悪であろう。
これを見逃すなんて、あいつもまだ未熟だ
涙の理由、教えてやるよ。
私のことも、たくさんな。
最初に言ったはずだ。
わさびが効いたのだと。
今回はただの感想文です。
最近心躍ること。
私事で申し訳ないが、今年の8月に発売されたゲーム、アーマードコア6が浮かんだ。
知らない人に少し説明すると、10年ぶりに新作が発売された難しめのメカアクションゲームである。
アーマードコア(以下ac)というロボットを駆る傭兵とり、acをカスタマイズしながら様々な仕事をこなしていく、というゲーム。
さて実をいうとシリーズの半分もやってなかったりする。
クリアしたのも初代と2だけ。
あと5を途中で諦めた位のもの。
そこまで熱心なファンでもなかったりする。
でも発売のことを知った時、胸が高鳴ってしまった。
まさにココロオドルだ。
このゲームには奇妙な魔力があるのだ。
そしてソフトを手に取り、ゲームの電源を入れた時は、かなり浮かれてたのを覚えている。
まさにココロオドルだ。
(あとで似たような人がいるのを知って、ちょっと安心した)
ゲームは面白さも語りたいが、本題ではないので割愛。
さてゲームクリア後も、けっこう心躍ってたりする。
ネタバレを避けるため、SNSや画像投稿サイト、youtube考察などを覗くのを控えていた。
クリアして、ネタバレ解禁したときもワクワクが止まらなかった。
このゲーム、ファン活動が盛んで色々な妄想や二次創作が見れる。
結構なお祭り騒ぎで、自分もその中にいるのだと言う感覚が心地よい。
書いてて思ったけど、なにかに似てると思ったら、昔の収穫祭っぽい。
農作物の収穫(ac6)に感謝しつつ、俺の育てた大根(妄想)を見ろ、みたいな。
まあ、そんな感じで心が踊る以上に、はしゃいでたのは間違いがない。
見たことない人は一度見てほしい。
興味ない人でもまとめを見て、一瞬笑ってほしい。
その価値はある、というのは言い過ぎか?
一人の物書きとして、こんなに色んな人を巻き込めるのは、エンターテイメントとしてすごいなという感想しか出ない。
自分もこのレベルまで行きたいと、妄想してみたりする。
うまく伝わったかは分からないけれど、読んだ人が少しでも心が踊ってもらえれば幸いである。
ps自己満足の感想文読んでくれてありがとう
広い海にぽつんと浮かぶ島。
そこにたくさんの鳥が集まっていた。
しかし彼らはそこに住んでいる鳥ではない。
彼らは遠い地から飛んできた渡り鳥である。
そんな彼らもずっと飛び続けることはできない。
休息と食事も必要だ。
そのため、あるものは羽を休め、あるものは海の魚を取って食べていた。
この旅は過酷である。
気の遠くなるような距離を飛ばなければいけない。
途中で脱落する仲間たちもいる。
それでも、かれらは旅を辞めない。
なぜそんな事をするのかと問われれば、彼らはこう答えるだろう。
そこには素晴らしい物が溢れているから、と。
そして目的地の方へ見つめるのだ。
もちろん見える距離ではない。
しかし彼らには、はっきりとその光景が見えているのだ。
でなければ、こうも迷いなく旅を進めることはできないだろう。
彼らの様子を見るに、ここを発つのは明日の朝だろう。
また過酷な旅が持っている。
だがまだ旅立ちの時間ではない。
明日に備え、彼らは英気を養う。
これは過酷な旅の束の間の休息なのだ。