G14(3日に一度更新)

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10/12/2023, 10:48:57 PM

放課後はボーナスタイムだ。
放課後は楽しいことが百倍になる時間なんだ。
例えば学校で怒られてもあっても、ボーナス100倍で大逆転だ。
だからいつも家にランドセルを置いたら、友達と遊びに行っていた。
でも今日はみんな予定があって遊べない。
塾とか習い事らしい。
遊べると思ってたから、ガッカリだ。
ガッカリも100倍。
なんか面白いもないかと思いながら歩いていると、泣き虫の花子が道のの端でしゃがんでいた。
どうせ転んで泣いてると思って近づくと、スコップを持って花を植えていた。
声をかけようと花子の顔を見ると、真剣な顔をしていた。
初めて見る表情に驚いて声が出ない。
なんとなくずっと見ていると、花子がこっちに気づいて顔を上げた。
「あれ、太郎くん、どうしたの?」
花子は不思議そうにこっちを見る。
「今ね、お花を植えているの。やってみない?」
花子はスコップを渡そうとしてくる。
「いや、友達と約束あってさ。えっと、忙しんだ。また明日な」
そう言って家の方向に走り出す。
しばらく走って、家の前で止まる。
走ったせいで心臓がドキドキしていた。
家の前まで来て、安心していると花子の真剣な顔が頭に浮かんでくる。
慌てて首を振る。
ちがう、少し驚いただけだ。
そうだ、胸が変なのはいるのは走ったせいだ。
あいつなんてなんとも思ってない
だから花子のことで100倍ドキドキしたなんて絶対にない


10/11/2023, 9:52:25 PM

カーテンとは、外と内を分ける結界だ。
外の世界には危険なもの、嫌なもの、醜いものがたくさんある。
この大きな布がここに掛かっているかぎり、私がそれを見ることはない。
しかし私は、勢い良くカーテンを開ける。
何故なら、素晴らしいものや輝く宝は外の世界にもたくさんあるのだ。
だから私はそれを探しに行くのだ
いざゆかん。冒険の旅へ。

なんて、かっこいい事を言ったものの、仕事に行きたくない気持ちは変わらない。
無理矢理にでも気分を上げる作戦は失敗である。
成功なんてしたことないから別にいいけど。
別に今日は大事な会議があるわけでもなければ、嫌いな上司がいるわけでもない。
純粋に仕事が嫌いだ。
外を見てもまだ日が昇ってない。
なぜこんなに早く出なければいけないのか。
理解に苦しむ。
いや理解はしている。
お金のためだ。
好きなことをするために、お金が必要だ。
それでも行きたくない。

あーあ。
どこかに嫌なものから守ってくれるカーテン、売ってないかなあ。

10/10/2023, 10:49:53 PM

「涙の理由?それを聞きたくて走ってきたの?」
私は呆れる。
走ってきたのは、私のファンだと言って憚らない後輩である。
私のことを何でも知りたいらしい。
こうなると思ったから、見つからないようにしたのに。
「はい、何かあったのなら放おっておけません」
「何でもないわ。ワサビが効いただけよ」
「嘘です。ワサビなんて食べてないですよね」
たしかに適当に言い逃れをしたが、普通追求するかね。
「あのね。それは聞いてほしくないって意味だから」
「分かりますよ。でも先輩のこと知りたいんです」
「‥あんたね、そろそろ怒るわよ」
「先輩、怒った顔も素敵です」
さすがのこれには開いた口が塞がらない。
段々落ち込んだのがバカらしくなってきた。
この子の相手をすると、最後にはいつもそうなる。
この子なりの励ましなのだろうか。
「あー、涙の理由ね」
彼女の目が輝き始める。
「あれ、何だっけ」
「えー、今更なしですよ、それ」
そう言われても、今はもうどうでも良い。
だが彼女は納得しないようだ
その時、悪魔が囁いた。
私のことを知りたいとな
ならば教えてあげよう
「うーん、寿司食べたら思い出せそう」
「ホントですね。そこに回転寿司あるんで入りましょう」
彼女は疑わず、寿司屋に入っていく。
計算通りだ。
今の私の顔はかなり邪悪であろう。
これを見逃すなんて、あいつもまだ未熟だ
涙の理由、教えてやるよ。
私のことも、たくさんな。
最初に言ったはずだ。
わさびが効いたのだと。

10/9/2023, 1:01:02 PM


今回はただの感想文です。



最近心躍ること。
私事で申し訳ないが、今年の8月に発売されたゲーム、アーマードコア6が浮かんだ。

知らない人に少し説明すると、10年ぶりに新作が発売された難しめのメカアクションゲームである。
アーマードコア(以下ac)というロボットを駆る傭兵とり、acをカスタマイズしながら様々な仕事をこなしていく、というゲーム。

さて実をいうとシリーズの半分もやってなかったりする。
クリアしたのも初代と2だけ。
あと5を途中で諦めた位のもの。
そこまで熱心なファンでもなかったりする。

でも発売のことを知った時、胸が高鳴ってしまった。
まさにココロオドルだ。
このゲームには奇妙な魔力があるのだ。
そしてソフトを手に取り、ゲームの電源を入れた時は、かなり浮かれてたのを覚えている。
まさにココロオドルだ。
(あとで似たような人がいるのを知って、ちょっと安心した)

ゲームは面白さも語りたいが、本題ではないので割愛。

さてゲームクリア後も、けっこう心躍ってたりする。
ネタバレを避けるため、SNSや画像投稿サイト、youtube考察などを覗くのを控えていた。
クリアして、ネタバレ解禁したときもワクワクが止まらなかった。
このゲーム、ファン活動が盛んで色々な妄想や二次創作が見れる。
結構なお祭り騒ぎで、自分もその中にいるのだと言う感覚が心地よい。

書いてて思ったけど、なにかに似てると思ったら、昔の収穫祭っぽい。
農作物の収穫(ac6)に感謝しつつ、俺の育てた大根(妄想)を見ろ、みたいな。
まあ、そんな感じで心が踊る以上に、はしゃいでたのは間違いがない。

見たことない人は一度見てほしい。
興味ない人でもまとめを見て、一瞬笑ってほしい。
その価値はある、というのは言い過ぎか?

一人の物書きとして、こんなに色んな人を巻き込めるのは、エンターテイメントとしてすごいなという感想しか出ない。
自分もこのレベルまで行きたいと、妄想してみたりする。

うまく伝わったかは分からないけれど、読んだ人が少しでも心が踊ってもらえれば幸いである。

ps自己満足の感想文読んでくれてありがとう

10/9/2023, 7:05:18 AM

広い海にぽつんと浮かぶ島。
そこにたくさんの鳥が集まっていた。

しかし彼らはそこに住んでいる鳥ではない。
彼らは遠い地から飛んできた渡り鳥である。

そんな彼らもずっと飛び続けることはできない。
休息と食事も必要だ。
そのため、あるものは羽を休め、あるものは海の魚を取って食べていた。

この旅は過酷である。
気の遠くなるような距離を飛ばなければいけない。
途中で脱落する仲間たちもいる。
それでも、かれらは旅を辞めない。

なぜそんな事をするのかと問われれば、彼らはこう答えるだろう。
そこには素晴らしい物が溢れているから、と。
そして目的地の方へ見つめるのだ。

もちろん見える距離ではない。
しかし彼らには、はっきりとその光景が見えているのだ。
でなければ、こうも迷いなく旅を進めることはできないだろう。

彼らの様子を見るに、ここを発つのは明日の朝だろう。
また過酷な旅が持っている。
だがまだ旅立ちの時間ではない。
明日に備え、彼らは英気を養う。
これは過酷な旅の束の間の休息なのだ。

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