真空

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9/11/2025, 3:19:02 PM

ひとりきり

後は任せた
貴方に託す
先に行ってろあとから追いつく

よく言われる言葉
世界の危機だとか強大な敵と戦うときだとか
いつの間にやら仲間を置いて進むことになり
最後はひとりきりで立ち向かうことが多い
自分は強いと自負している
誰にも負けない自信もある

でも
それでも
最後まで共にいてほしいというのは
隣で一緒に戦ってほしいというのは
これほどまでに叶わぬ願いなのだろうか

ひとりでだって戦えるけれども
誰かに支えてもらいたいというのは
自分には過ぎたる願いなのだろうか

一人敵の屍の前にひとり佇む
今日もやっぱりひとりきりで勝てた
当然だ当然のことなのに
少しさみしいのは何故だろう


【あたり前の光景】




9/9/2025, 5:08:09 PM

フィルター

戦いというフィルターにより背負っていたものが取り除かれていく
建前とか社会性とか期待とか幻想とか偶像とか
周囲から託されていたものが濾過されて
一番最後に残った偽りなき自分の気持ち
お前との決着を
英雄とか救世主とか反逆者とか
そんな肩書全部取っ払って
今ここにあるのは
ただお前に勝ちたいという自分の意思だけ
大義名分も何もない
勝ったところで何もない
ただ自分が納得したいだけの戦い
そこに他の意味などいらないのだと2人きりの今ならいえる
さあ共に燃え尽きるその時まで
命の限り踊り続けよう

【運命に決着を】

9/8/2025, 3:43:52 PM

仲間になれなくて

助けてとそう言えたらよかったんだろう
でもそんなこと言う勇気がなかった
誰も彼もが自分に幻をみているその中で
情けない姿なぞ見せたくはなかった
プライドの問題だ見栄っ張りの自覚はある
だからこうなってしまったのだろう
引き返す余地はあった
帰る場所もあったはずだった
でも選べなかった
確かに同じ方向を向いていたはずの道は断絶し
結局は彼らの前に立ち塞がることを選んだ
後悔はしていない
自分で選んだのだこの道を
終わらせようさあ今幕を上げる
彼らが勝つか私が勝つかもうそれしかないのだ

【わかれみち】

9/8/2025, 8:23:41 AM

雨と君

雨の日は家の中にいることにしている
庭から一番遠い部屋で音楽を聴きながら
読書やら掃除やらに没頭する
だってそうしなければ聞こえてしまう
雨の中で泣いている君の声が

ひとりでこっそり泣くことすらできない人
涙を雨と誤魔化せでもしないと泣けないなんて
ホントに意地っ張りでプライドが高いのだから
別に隠さなくてもいいのに
今更泣いたって喚いたって離れていかないのに
せめて隣で泣いてくれたら
手くらい握りしめてやれるのに
嗚呼いつまで雨の中、君をひとりにしてなきゃいけないんだ

【押し殺した声】

9/5/2025, 12:24:48 AM

言い出せなかった「」

もう少しわかりやすく言ってくれ
そしたらそしたらさぁ
俺だってもう少し言葉を選んださ
同じ方向を向いて一緒に歩いていけると
信じていたのに

いや、まあ
あの頃の俺じゃ支えにもなれなかったけども
貴方なら一人でも大丈夫に見えてたし
今ならわかるさ
あれはあの頃の貴方の精一杯のSOSだって
でもやっぱりわかりにくいんだよ貴方
そうやって心を隠すから自分でも見失うんだ

誰も彼もが貴方に期待と希望を押し付けて
貴方なら大丈夫と突き放して
貴方を一人にしてしまった

放り出せばよかったんだ
理想も夢も期待も
プライドが高すぎるんだよ貴方
そうやって取り繕うばっかりで
自分の首を絞めて声が出せなくなって

言えばよかったんだよ
というか言えよ
今なら俺に届くから

助けても寂しいも傍にいても
愛してほしいも抱きしめてほしいも
ちゃんと聞くから
ほら

【わたしのねがい】

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